Brand : Hermès
Material : Silver 925
Size : TGM (コマの大きさ約2.4cm), 12コマ, 全長約22.0cm

何世代にもわたって、人々を魅了する"Hermès　(エルメス)"のジュエリー。

もともとは馬具の工房として1837年に創業した"Hermès"ですが、20世紀初頭、創業者の孫に当たるエミール・エルメスは時代の変化を予見。
自動車の普及とともに馬車の時代が終わろうとしていた第一次世界大戦後、馬具づくりで培った職人技を用いてバッグや革小物などのレザーグッズ、ゴルフ用のレザーブルゾンなどの新製品を開発し、新たなイノベーションに挑戦することとなりなす。

そして1927年、ブランド初となるアクセサリー「Filet de Sel (フィレ・ドゥ・セル)」を発表。
それは、レザーストラップに馬の轡（くつわ）のシルバー製モチーフをあしらったブレスレットでした。
それ以来シンプルでエレガントなものから、斬新でモダンなデザインまで豊富で様々なラインナップを展開する"Hermès"のジュエリー。
丁度100年になろうかという長い歴史、その間にリリースされた数々のジュエリーアイテムは、何世代にもわたって人々に愛され続けています。

そんな数々のエルメスのアクセサリー、いや、世界中にある数多のアクセサリーの中でも、異質の存在。
それが、この『Chaîne d'Ancre (シェーヌダンクル)』です。


1937 年、ロベール・デュマはノルマンディー海岸を散歩していました。
彼は、エルメス家の娘婿であり、エミール・エルメスの義理の息子。
4人の娘の父であったエミールは娘婿たちに後継を任せることとなりますが、このロベールという建築家がエルメスにおいて成し遂げたことは、エルメスという長いブランドの歴史、いや、ファッションの歴史という意味でもかなり大きい。
1937年、エルメスの定番アイテムでもある、シルクを贅沢に使ったスカーフ、『カレ』を初めて考案。
1951年にエルメスの代表となった後の1957年、これまたエルメスの定番アイテム、後に『ケリー』の名で知られるようになるハンドバッグを考案。
現在のエルメスの地位、私たちが抱くエルメスのイメージは、彼が作ったと言っても過言ではありません。

『カレ』を初めて製作した1937年、ロベール・デュマはノルマンディー海岸に係留された船を目にすると、一つのアイデアが浮かび上がります。
船を係留しているアンカーチェーンが彼の目を引き、そのデザインをブレスレットに。
こうして1938年、シルバーを使ったブレスレット、『Chaîne d'Ancre (= フランス語で「錨の鎖」)』が作成され、メゾンが海に乗り出しました。
それ以来、安定性と強さ、絆を意味するこのパターンは、尽きることのないインスピレーションの源となり、さまざまな形や素材で常に自由に再解釈され続けています。
鎖の各リンクは全体にとって不可欠であり、人生の大きな物語において個々の役割がいかに重要であるかを示す。
この連結の概念は、職人、デザイナー、顧客が品質と職人技への共通の感謝によって結ばれるという、エルメスのコンセプトの一つにも拡張されています。



シンプルでありながらも、卓越した職人技術が為せる美しい曲線の、各リンク一つ一つの造形美、それらが重なって見せる贅沢なシルバー925の、美しく繊細な輝き。
更に、ヴィンテージならではの、シルバー特有の黒ずみや小傷が、その繊細な表情に更なる雰囲気をプラス。
大きな傷等もなく、マットで落ち着いた質感は、高級感とボリューム感のあるデザインに力強さを与えてくれています。
何世代にもわたって長く愛用ができるというのも大きな魅力ですよね。

今回ご用意した一本は、『Chaîne d'Ancre 』の名を冠するシリーズの中で最もボリューミーな規格であるTGM（トレスグランモデル）。
その重厚な佇まいと繊細なシルバー925の表情の絶妙さが、この上なく魅力的なモデルです。

また、一般的にTGMのゴールデンサイズと言われるコマ数が12〜14個。
本品のコマ数は12コマですので、まさにゴールデンサイズの一本をご用意することが叶いました。

更に、リングと接続されたコマに注目してみると
そこには、「HERMES」の刻印が施されています。
それはつまり、『Chaîne d'Ancre 』シリーズの中で、最も注目度の高いと言われ、現在では殆ど目にすることができなくなった、90年代製の中でも「マルジェラ期」の一本であるという証明。


ユーズド市場での相場が2年で約5倍になるほどに、近年人気を高める"Hermès"のジュエリー。
気にはなっているが、実物を見たことがない、と仰る方が殆どのような印象を受けます。


単なるジュエリーではなく、強さ、団結、冒険、そして時を超えたエレガンスの象徴。
それが正しく、『Chaîne d'Ancre』と呼ばれるこのブレスレット。

誕生から約90年近く経った豊かな歴史と深いメッセージを持ち、身につける人に、やり過ぎない奥ゆかしい上品な雰囲気を放たせるアイテム。
シルバーブレスレットの原点にして頂点、という言葉も聞かれるそのブレスレットが、なぜそう言われているかを実感できるでしょう。




Condition :商品状態

経年によるシルバーの色味の変化や小傷がやや見られます。
ヴィンテージ特有の雰囲気としてお楽しみくださいませ。

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