[early 2000s] "Hermès" Olive Cotton-Linen Safari Blazer (Designed by Véronique Nichanian)
¥99,000
Brand : Hermès
Material : Cotton 55%,Linen 45%
Color : Beige
Size : 54
Model:158cm 46kg
この服には、言葉にしにくい違和感がある。
オリーブグリーンの色合い。ドライな質感のコットンリネン。
4つのフラップポケットと、控えめな肩の傾斜。
一見すると、ミリタリーやサファリの語彙を引き継いでいるように見える。
だが、どのジャンルにもきれいに収まらない。
タグは、Hermès Hommeのクラシックな馬車ロゴ入り。
製造国はイタリア、サイズは54、素材はコットン55%、リネン45%。
構造は完全にメンズ服のそれだ。
だが、実際に手に取り、袖を通すと、その印象が揺らぐ。
やや短めの着丈。胸位置が高めに設計されたポケット。
肩周りは芯地を削ぎ落とされ、ラペルは柔らかく転がる。
「男性向け」と断じるには、あまりに中性的で、しなやかだ。
ここで思い浮かぶのが、Hermès Hommeのデザイナー、ヴェロニク・ニシャニアンの存在である。
1988年から現在に至るまで、エルメスのメンズラインを手がけ続ける彼女は、
服づくりにおいて“性別や時代”といったカテゴリの外に立つことを信条としてきた。
着る人にとって気負いがなく、それでいて品格を保ち、長く付き合える服。
機能性を備えながらも、道具では終わらず、感情に訴える服。
そうした理想を、彼女はエルメスの中でかたちにしてきた。
このサファリジャケットもまた、その思想の延長線上にあると考えられる。
ミリタリー的なディテール──例えば4つのフラップポケット──はあくまで簡素に整理され、素材は上質であることを主張しない程度に選ばれている。
ボタンは同系色で、装飾ではなく構成要素の一部として配置され、
構築はごく最低限に抑えられている。
そして、なによりも不思議なのは、このジャケットが
「女性が着てもまったく違和感がない」ことだ。
これはHermès Femmeの製品ではない。
この時期のレディースラインの担当はマルタン・マルジェラやジャン=ポール・ゴルチエなど別のデザイナーであり、ヴェロニクがレディースを手がけたという記録は存在しない。
しかし、当時の彼女は自らが設計したHommeの服を日常的に着用していた。
自身のために、あえてユニセックスに近い設計を取り入れていた可能性は、十分にある。
つまり、これは「メンズとして設計されたレディース的ブレザー」、あるいは「ヴェロニク自身が着る前提で設計したHomme」とも捉えられる。
サイズ表記も構造も、流通ラインもメンズである。
しかし、その雰囲気は、境界線を越えてくる。
まるで、デザイナー本人のスタンスがそのまま服の設計に現れているかのようだ。
ジェンダーやカテゴライズを意識せず、自分の感覚に従って服を着る。
ヴェロニクの服づくりは、ずっとその姿勢で貫かれてきた。
このブレザーもまた、そういった精神の一滴から生まれたものなのかもしれない。
あらゆる判断がギリギリの線で止まり、わずかな余白に品格が宿る。
それは、意図してデザインされた謎だ。
そして、その謎こそが、この一着の最大の魅力なのだ。
Measurements:サイズ情報
表記 : 54 (日本メンズサイズS-M相当,レディースサイズM-L相当)
平置き寸法 : 肩幅 40cm 身幅 48cm 着丈 65cm 袖丈 59cm
Condition:商品状態
Vintage特有の着用感や、生地にはネップ感が見られます。雰囲気としてお楽しみください。
Attention
・商品は一点物のVintageになる為、SOLDになった場合全く同じアイテムの再入荷はございません、予めご了承下さい。
・採寸方法により、若干の誤差がある場合がございます、予めご了承下さい。
・Vintage商品の為、使用感や経年劣化がある場合がございます。
ご購入後の返品・交換は受け付けておりませんのでVintage商品にご理解のある方のみご購入をお願い致します。
・商品の色味は出来る限り肉眼で見た場合に近いよう調整しておりますが、お手元のブラウザによって見え方が変わることがあります。
他にも商品に関するご質問があれば、お気軽にお問い合わせ下さい。
Brand : Hermès
Material : Cotton 55%,Linen 45%
Color : Beige
Size : 54
Model:158cm 46kg
この服には、言葉にしにくい違和感がある。
オリーブグリーンの色合い。ドライな質感のコットンリネン。
4つのフラップポケットと、控えめな肩の傾斜。
一見すると、ミリタリーやサファリの語彙を引き継いでいるように見える。
だが、どのジャンルにもきれいに収まらない。
タグは、Hermès Hommeのクラシックな馬車ロゴ入り。
製造国はイタリア、サイズは54、素材はコットン55%、リネン45%。
構造は完全にメンズ服のそれだ。
だが、実際に手に取り、袖を通すと、その印象が揺らぐ。
やや短めの着丈。胸位置が高めに設計されたポケット。
肩周りは芯地を削ぎ落とされ、ラペルは柔らかく転がる。
「男性向け」と断じるには、あまりに中性的で、しなやかだ。
ここで思い浮かぶのが、Hermès Hommeのデザイナー、ヴェロニク・ニシャニアンの存在である。
1988年から現在に至るまで、エルメスのメンズラインを手がけ続ける彼女は、
服づくりにおいて“性別や時代”といったカテゴリの外に立つことを信条としてきた。
着る人にとって気負いがなく、それでいて品格を保ち、長く付き合える服。
機能性を備えながらも、道具では終わらず、感情に訴える服。
そうした理想を、彼女はエルメスの中でかたちにしてきた。
このサファリジャケットもまた、その思想の延長線上にあると考えられる。
ミリタリー的なディテール──例えば4つのフラップポケット──はあくまで簡素に整理され、素材は上質であることを主張しない程度に選ばれている。
ボタンは同系色で、装飾ではなく構成要素の一部として配置され、
構築はごく最低限に抑えられている。
そして、なによりも不思議なのは、このジャケットが
「女性が着てもまったく違和感がない」ことだ。
これはHermès Femmeの製品ではない。
この時期のレディースラインの担当はマルタン・マルジェラやジャン=ポール・ゴルチエなど別のデザイナーであり、ヴェロニクがレディースを手がけたという記録は存在しない。
しかし、当時の彼女は自らが設計したHommeの服を日常的に着用していた。
自身のために、あえてユニセックスに近い設計を取り入れていた可能性は、十分にある。
つまり、これは「メンズとして設計されたレディース的ブレザー」、あるいは「ヴェロニク自身が着る前提で設計したHomme」とも捉えられる。
サイズ表記も構造も、流通ラインもメンズである。
しかし、その雰囲気は、境界線を越えてくる。
まるで、デザイナー本人のスタンスがそのまま服の設計に現れているかのようだ。
ジェンダーやカテゴライズを意識せず、自分の感覚に従って服を着る。
ヴェロニクの服づくりは、ずっとその姿勢で貫かれてきた。
このブレザーもまた、そういった精神の一滴から生まれたものなのかもしれない。
あらゆる判断がギリギリの線で止まり、わずかな余白に品格が宿る。
それは、意図してデザインされた謎だ。
そして、その謎こそが、この一着の最大の魅力なのだ。
Measurements:サイズ情報
表記 : 54 (日本メンズサイズS-M相当,レディースサイズM-L相当)
平置き寸法 : 肩幅 40cm 身幅 48cm 着丈 65cm 袖丈 59cm
Condition:商品状態
Vintage特有の着用感や、生地にはネップ感が見られます。雰囲気としてお楽しみください。
Attention
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・採寸方法により、若干の誤差がある場合がございます、予めご了承下さい。
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ご購入後の返品・交換は受け付けておりませんのでVintage商品にご理解のある方のみご購入をお願い致します。
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