Brand : Italian Vintage
Material : Silver 925
Size : (1コマの大きさ：2.0×1.4cm)全長21.5cm：,重量：62.4g
Model：手首周り16cm

このブレスレットに刻まれた凹凸には、均一な機械仕上げにはない、人の手による繊細な痕跡が確かに残されています。
滑らかな面と、格子状の立体的テクスチャが交互に現れるリンク。それぞれが光を異なる角度で受け止め、まるで静かに脈打つような表情を手元に宿します。おそらくこれは、手彫りによる加工によって生まれた質感。ほんの僅かな揺らぎこそが、このブレスレットの個性を形成しています。

構成は、緩やかにトルク（ねじり）を加えた楕円形のリンク。ひとつひとつのコマが滑らかに連なりながら、光を浴びるたびに陰影を移ろわせる様は、まさに“装う彫刻”と呼びたくなる佇まいです。

そして、手に取ってまず驚かされるのがその圧倒的な重み。
中空化を施さず、無垢に近いシルバーを贅沢に用いた構造は、見た目の重厚感を裏切らない確かな質量を感じさせます。装飾品というよりも、ひとつの構造物を身につけているかのような感覚。その密度は、装うことに対する意識さえも変えてくれるようです。

素材にはシルバー925を使用。高純度のシルバー特有の艶やかな光沢と、経年による落ち着いたくすみが混ざり合い、ヴィンテージならではの深みある表情を生んでいます。鏡面仕上げの滑らかなリンクと、マットな手彫り面のコントラストが、視覚的にも豊かなリズムを構築しています。

留め具には、シンプルで美しいトグルクラスプを採用。
そのTバー部分には小さく「08」の刻印が入っています。これは製造ロットや工房ナンバーを示す記号である可能性が高く、こうした符号が残されている点にも、当時の工房の管理体制や丁寧な製造工程が垣間見えます。刻印の意味に明確な答えはなくとも、こうした痕跡が物語る背景こそが、ヴィンテージシルバーの醍醐味ではないでしょうか。


こうした造形と言語性を持ち合わせたデザインは、1970年代後半〜1980年代にかけてのヨーロッパ圏（特にイタリアや西ドイツ）で多く見られるもので、工業的なモチーフや建築的意匠をジュエリーに落とし込んだ流れの中に位置づけられます。

装いとしては、無地のシャツやニット、リネンやウールなどのテクスチャある素材と合わせることで、その密度が一層際立ちます。秋冬にはコートやジャケットの袖口からちらりと覗かせるだけで、装いに静かな重みと奥行きが生まれます。

ただのアクセサリーではない、構造と素材に語らせるブレスレット。
職人の手仕事と、時代の空気が交錯したこの一本には、流行では計れない“本質的な魅力”が宿っています。

Condition :商品状態

年代物らしい雰囲気を放つ。
ヴィンテージの風合いとしてお楽しみください。

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