Brand : Italian Vintage
Material : Silver 925
Size : 全長：20.8cm,重量：28.7g
Model：手首周り16cm

一目で惹かれるのは、その繊細さ。
けれど、手に取って初めてわかるのは、それがただの華奢さではなく、構造的な緻密さによって成り立っているということです。

本作は、無垢構造のシルバー925によって形づくられたヴィンテージブレスレット。しっかりと素材は詰まっていながら、線を細く抑えたリンク設計と立体的な構築によって、見た目にも着用感にも不思議な軽やかさを感じさせます。

主役は、やや縦長のオーバルリンク。その表面には、細密な花のモチーフが手彫りで施されています。それは単なる装飾を超え、金属の表面に“咲いている”とすら感じる精度。小さな面の中に、花弁の起伏、葉脈の流れまでもが繊細に刻み込まれており、光が差し込むたびに陰影としてその美しさを浮かび上がらせます。

リンク同士を繋ぐコマには、縄状のテクスチャが施されたリングが採用され、全体のリズムに柔らかさを添えています。この小さな装飾の切り替えが、装着時の視覚的な単調さを防ぎ、常に見る角度によって変化する豊かな表情を生み出しています。

素材はもちろんシルバー925。その特有の柔らかな光沢が、手彫りの凹凸と呼応しながら、静かな存在感を放ちます。表面をあえて鏡面仕上げにせず、ややマット気味に抑えている点にも、職人の“素材と対話する”感覚が宿っているように感じられます。

留め具にはバネ式の引き輪を採用し、機能性と装着感を両立。コマのひとつとして自然に馴染むよう設計されており、全体の美観を損なうことはありません。

このような精緻な彫金と構造的な軽やかさを両立したシルバーブレスレットは、1970〜1980年代のヨーロッパ圏、特にイタリアやスペインの銀細工工房で制作された作品群に多く見られる特徴です。工業製品化される直前の“最後の手仕事”とも言える時代で、素材と時間、技術のすべてが注がれた作品たちには、ジュエリーというよりむしろ「装う美術工芸品」の趣すら漂います。

装いには、柔らかな質感のトップスとの組み合わせがおすすめです。たとえばリネンシャツや細番手のニット、あるいは少し毛羽立ちのあるウールなど。マットな素材と組み合わせることで、このブレスレットの精緻な彫りが一層際立ち、装いに品と奥行きをもたらしてくれます。

重さではなく、密度と技巧で語るブレスレット。
その花々はただ飾られているのではなく、金属の中に確かに“咲いて”います。
今この時代にこそ、手に取る価値のある一本です。

Condition :商品状態

年代物らしい雰囲気を放つ。
ヴィンテージの風合いとしてお楽しみください。

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