HERMÈS “Polo” Carré 90 Designed by Jean de Fougerolle, 1990
¥44,000
Brand : Hermès
Material : Silk 100%
手にした一枚のシルクスカーフ。
それは単なるファッションアクセサリーではありません。
90cm四方の完璧な正方形の中に、歴史と職人技、そして尽きることのない物語が凝縮された、エルメスというメゾンそのものを象徴する芸術品。
今回ご紹介するヴィンテージの「Carre (カレ)」は、その中でも特に"Hermès (エルメス)"の真髄に触れることができる、特別な一枚と言えるでしょう。

ブラウン、レッド、ベージュという、大地と情熱、そして気品を感じさせる絶妙な色彩で描かれているのは、疾走する馬と選手が一体となるポロ競技のワンシーン。
その躍動感あふれるグラフィックは、見る者の心を瞬時に捉えます。
エルメスの「カレ」がなぜこれほどまでに世界中の人々を魅了し続けるのか...。
このスカーフの魅力を解き明かすために、その歴史と哲学を紐解いてみましょう。
エルメスの起源が、1837年にティエリー・エルメスがパリで開いた馬具工房であることはよく知られています。
皇帝ナポレオン3世やロシア皇帝などを顧客に持ち、最高品質の馬具を提供することでその名を馳せました。
自動車の時代が到来し、馬が交通の主役から降りた後も、エルメスは馬具製作で培った皮革加工技術と職人技を、バッグや革小物、そしてスカーフへと昇華させていったのです。
記念すべき最初の「カレ」が誕生したのは1937年。創業から100年後のこと。
当時の経営者であったロベール・デュマ・エルメスが、馬を描いた木版画からインスピレーションを得て、シルクスカーフの製作を発案します。
こうして生まれたのが、初代カレ「Jeu des Omnibus et Dames Blanches(オムニバスと白い貴婦人のゲーム)」。
これは、馬車が主役であった時代のパリの情景を描いたものであり、馬具工房としてのルーツへの誇りと、新しい時代への挑戦が見事に融合した作品でした。
以来、「カレ」はエルメスのアイコンとして、世界中の女性たちの憧れの的に。
その魅力の根幹をなすのは、一切の妥協を許さないものづくりへの姿勢。
まず、最高級の繭から紡がれたシルクツイルのみが使用され(今回の一枚はイタリア製)、その滑らかな手触りと息をのむほど美しい光沢、そして鮮やかな発色は他の追随を許しません。
さらに、専属のデザイナーや世界中のアーティストが手掛けるデザイン。
それは、毎年新作が発表され、そのどれもが自然、動物、神話、歴史、旅といった豊かな物語性を秘めており、一枚一枚が独立したアート作品としての価値を持っています。
そして何より、一枚のカレが完成するまでには、デザインの決定から始まり、彫版師によるシルクスクリーンのための版作り、熟練の職人が一色ずつ色を重ねていく染色作業と、膨大な時間と手間がかけられます。
最後の仕上げである縁かがり「ルロタージュ」に至っては、今なお職人が一針一針手作業で行っており、このふっくらとした縁こそが、本物のエルメスのカレの証なのです。

改めて今回のスカーフを見てみましょう。
このデザインは、おそらく1960年代から70年代にかけて、デザイナー、ジャン・ド・フォレ(Jean de Fougerolle)によって生み出された「Polo」という名のカレです。
「王のスポーツ」とも称されるポロをテーマに選んだのは、馬が描かれているから、、、という理由だけではありません。
それは、メゾンの原点である馬具への深い理解と愛情、そして人馬一体となって繰り広げられるダイナミックな世界観への共感を示すものです。
中央に大きく、そして四隅の円窓に異なる角度から描かれたポロのシーンは、まるで一枚の絵画のように構図が練り上げられており、静と動が見事に調和。
馬の筋肉の躍動、翻る尻尾、選手の真剣な眼差し、振り上げられたマレットの軌跡までが、驚くほど緻密に描写されています。

このスカーフのもう一つの大きな魅力は、その計算され尽くした色彩の妙。
ブラウン、レッド、ベージュ(生成り)のコンビネーションは、クラシックでありながら古さを全く感じさせません。
ブラウンは大地の色であり、馬やエルメスが誇る革製品を想起させるメゾンを象徴するカラーとして、全体に落ち着きと格調高さをもたらしています。
そこに、選手のユニフォームやフレームのストライプに効果的に使われたレッドが、情熱や生命力を感じさせる鮮やかなアクセントと躍動感を。
そして、それらをつなぎ、全体の印象を和らげているのがベージュ(クリーム色)であり、優雅さと洗練さを与える役割を果たしています。
この配色の妙こそ、エルメスが長年培ってきた色彩感覚の賜物です。
そして現行品にはない、時を経てわずかに深みを増したシルクの風合いと、落ち着いた発色は、何物にも代えがたい。
新しいスカーフが持つ張り詰めたような美しさとは異なり、そこには多くの人の手を経て、大切にされてきたであろう時間の温もりが宿っています。
このスカーフを身にまとうことは、単に装うという行為を超え、半世紀以上前にパリのアトリエで生まれた物語を受け継ぎ、自分自身の新たな物語を紡いでいくことを意味します。

このエルメスのヴィンテージカレ「Polo」は、馬具工房としての誇り、最高の素材と職人技へのこだわり、そして時代を超越する芸術性という、エルメスの魅力をすべて内包した傑作です。
落ち着いた配色でありながら、描かれたポロ競技のシーンは生命力にあふれ、見る者を飽きさせません。
首元に巻いてその滑らかな感触と美しいドレープを楽しむもよし、ベルトやバッグのアクセントとして使うもよし。
あるいは、額装して一室の主役として飾れば、それは日々の暮らしに彩りとインスピレーションを与えてくれるアートピースとなるでしょう。
この一枚のスカーフは、あなたにエルメスが紡いできた豊かな物語を届け、これからの人生をともに歩む、かけがえのないパートナーとなってくれるに違いありません。

Measurement : サイズ情報
実寸 約85.5cm × 約85.5cm
Condition :商品状態
着用感、若干の縮みが見られますが目立ったダメージのないグッドコンディション。
Attention
・商品は一点物のVintageになる為、SOLDになった場合全く同じアイテムの再入荷はございません、予めご了承下さい。
・採寸方法により、若干の誤差がある場合がございます、予めご了承下さい。
・Vintage商品の為、使用感や経年劣化がある場合がございます。
ご購入後の返品・交換は受け付けておりませんのでVintage商品にご理解のある方のみご購入をお願い致します。
・商品の色味は出来る限り肉眼で見た場合に近いよう調整しておりますが、お手元のブラウザによって見え方が変わることがあります。
他にも商品に関するご質問があれば、お気軽にお問い合わせ下さい。
Brand : Hermès
Material : Silk 100%
手にした一枚のシルクスカーフ。
それは単なるファッションアクセサリーではありません。
90cm四方の完璧な正方形の中に、歴史と職人技、そして尽きることのない物語が凝縮された、エルメスというメゾンそのものを象徴する芸術品。
今回ご紹介するヴィンテージの「Carre (カレ)」は、その中でも特に"Hermès (エルメス)"の真髄に触れることができる、特別な一枚と言えるでしょう。
ブラウン、レッド、ベージュという、大地と情熱、そして気品を感じさせる絶妙な色彩で描かれているのは、疾走する馬と選手が一体となるポロ競技のワンシーン。
その躍動感あふれるグラフィックは、見る者の心を瞬時に捉えます。
エルメスの「カレ」がなぜこれほどまでに世界中の人々を魅了し続けるのか...。
このスカーフの魅力を解き明かすために、その歴史と哲学を紐解いてみましょう。
エルメスの起源が、1837年にティエリー・エルメスがパリで開いた馬具工房であることはよく知られています。
皇帝ナポレオン3世やロシア皇帝などを顧客に持ち、最高品質の馬具を提供することでその名を馳せました。
自動車の時代が到来し、馬が交通の主役から降りた後も、エルメスは馬具製作で培った皮革加工技術と職人技を、バッグや革小物、そしてスカーフへと昇華させていったのです。
記念すべき最初の「カレ」が誕生したのは1937年。創業から100年後のこと。
当時の経営者であったロベール・デュマ・エルメスが、馬を描いた木版画からインスピレーションを得て、シルクスカーフの製作を発案します。
こうして生まれたのが、初代カレ「Jeu des Omnibus et Dames Blanches(オムニバスと白い貴婦人のゲーム)」。
これは、馬車が主役であった時代のパリの情景を描いたものであり、馬具工房としてのルーツへの誇りと、新しい時代への挑戦が見事に融合した作品でした。
以来、「カレ」はエルメスのアイコンとして、世界中の女性たちの憧れの的に。
その魅力の根幹をなすのは、一切の妥協を許さないものづくりへの姿勢。
まず、最高級の繭から紡がれたシルクツイルのみが使用され(今回の一枚はイタリア製)、その滑らかな手触りと息をのむほど美しい光沢、そして鮮やかな発色は他の追随を許しません。
さらに、専属のデザイナーや世界中のアーティストが手掛けるデザイン。
それは、毎年新作が発表され、そのどれもが自然、動物、神話、歴史、旅といった豊かな物語性を秘めており、一枚一枚が独立したアート作品としての価値を持っています。
そして何より、一枚のカレが完成するまでには、デザインの決定から始まり、彫版師によるシルクスクリーンのための版作り、熟練の職人が一色ずつ色を重ねていく染色作業と、膨大な時間と手間がかけられます。
最後の仕上げである縁かがり「ルロタージュ」に至っては、今なお職人が一針一針手作業で行っており、このふっくらとした縁こそが、本物のエルメスのカレの証なのです。
改めて今回のスカーフを見てみましょう。
このデザインは、おそらく1960年代から70年代にかけて、デザイナー、ジャン・ド・フォレ(Jean de Fougerolle)によって生み出された「Polo」という名のカレです。
「王のスポーツ」とも称されるポロをテーマに選んだのは、馬が描かれているから、、、という理由だけではありません。
それは、メゾンの原点である馬具への深い理解と愛情、そして人馬一体となって繰り広げられるダイナミックな世界観への共感を示すものです。
中央に大きく、そして四隅の円窓に異なる角度から描かれたポロのシーンは、まるで一枚の絵画のように構図が練り上げられており、静と動が見事に調和。
馬の筋肉の躍動、翻る尻尾、選手の真剣な眼差し、振り上げられたマレットの軌跡までが、驚くほど緻密に描写されています。
このスカーフのもう一つの大きな魅力は、その計算され尽くした色彩の妙。
ブラウン、レッド、ベージュ(生成り)のコンビネーションは、クラシックでありながら古さを全く感じさせません。
ブラウンは大地の色であり、馬やエルメスが誇る革製品を想起させるメゾンを象徴するカラーとして、全体に落ち着きと格調高さをもたらしています。
そこに、選手のユニフォームやフレームのストライプに効果的に使われたレッドが、情熱や生命力を感じさせる鮮やかなアクセントと躍動感を。
そして、それらをつなぎ、全体の印象を和らげているのがベージュ(クリーム色)であり、優雅さと洗練さを与える役割を果たしています。
この配色の妙こそ、エルメスが長年培ってきた色彩感覚の賜物です。
そして現行品にはない、時を経てわずかに深みを増したシルクの風合いと、落ち着いた発色は、何物にも代えがたい。
新しいスカーフが持つ張り詰めたような美しさとは異なり、そこには多くの人の手を経て、大切にされてきたであろう時間の温もりが宿っています。
このスカーフを身にまとうことは、単に装うという行為を超え、半世紀以上前にパリのアトリエで生まれた物語を受け継ぎ、自分自身の新たな物語を紡いでいくことを意味します。
このエルメスのヴィンテージカレ「Polo」は、馬具工房としての誇り、最高の素材と職人技へのこだわり、そして時代を超越する芸術性という、エルメスの魅力をすべて内包した傑作です。
落ち着いた配色でありながら、描かれたポロ競技のシーンは生命力にあふれ、見る者を飽きさせません。
首元に巻いてその滑らかな感触と美しいドレープを楽しむもよし、ベルトやバッグのアクセントとして使うもよし。
あるいは、額装して一室の主役として飾れば、それは日々の暮らしに彩りとインスピレーションを与えてくれるアートピースとなるでしょう。
この一枚のスカーフは、あなたにエルメスが紡いできた豊かな物語を届け、これからの人生をともに歩む、かけがえのないパートナーとなってくれるに違いありません。
Measurement : サイズ情報
実寸 約85.5cm × 約85.5cm
Condition :商品状態
着用感、若干の縮みが見られますが目立ったダメージのないグッドコンディション。
Attention
・商品は一点物のVintageになる為、SOLDになった場合全く同じアイテムの再入荷はございません、予めご了承下さい。
・採寸方法により、若干の誤差がある場合がございます、予めご了承下さい。
・Vintage商品の為、使用感や経年劣化がある場合がございます。
ご購入後の返品・交換は受け付けておりませんのでVintage商品にご理解のある方のみご購入をお願い致します。
・商品の色味は出来る限り肉眼で見た場合に近いよう調整しておりますが、お手元のブラウザによって見え方が変わることがあります。
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