Brand : Yves Saint Laurent rive gauche
Material : Cotton 100%
Color : Brown/Gray
Size : 50
Model: 175cm 65kg


1990年代後半から2000年代初頭にかけて、「Yves Saint Laurent rive gauche」は大きな変革期を迎えていました。

創業者イヴ・サンローランが築き上げたエレガンスを継承しつつ、1999年からディレクションに加わったTom Fordの感性が注入されることで、クラシックとモダンが鋭く交差する時代が始まったのです。


Tom Fordがもたらしたのは、単なるセクシーさやラグジュアリー感の強調だけではありません。
伝統的なテーラリングや生地の持つ重厚感を尊重しながら、そこにスポーツやストリートの要素を組み合わせることで、従来のYSLにはなかった大胆な「日常性」と「即物的なエネルギー」を付与しました。
クラシックとカジュアルを同じステージに引き上げることで、ブランドの新しい姿を提示したのです。



本作のジャケットは、まさにその空気をまとった一着。
表地にはクラシックなグレンチェックを採用しながらも、仕立てはブルゾン型。
襟・袖口・裾にはリブを配し、バーシティジャケットのような軽快さを演出しています。
伝統的な英国調の柄と、アメリカン・スポーツを思わせるリブ仕様の組み合わせは、当時のYSL rive gaucheが志向した「モードの越境性」を如実に物語っています。


ディテールを見れば、フロントはジップではなくボタン留め。
これによってスポーツウェア的な軽快さに一線を引き、クラシックの余韻を残しています。
リブの色使いも秀逸で、ブラウンに細いホワイトラインを差し込むことで、落ち着いた柄にリズムと視覚的なアクセントを添えています。
素材は100%コットン。しなやかながらも適度なハリを持ち、ライニングが加わることで肌当たりも快適に。軽快に羽織れるため、春秋の端境期から長く活躍する一着です。


シルエットはややコンパクトで、短めの着丈とリブのテンションが全体を引き締めています。インナーにシャツを合わせればトラディショナルに、Tシャツやデニムと組み合わせれば現代的で軽やかな印象に。クラシックとカジュアルの両側に接続できる柔軟さこそ、この時代のYSL rive gaucheが持つ魅力です。



Tom Fordが指揮したYSLは、当時のモードにおける「ラグジュアリーの再定義」を進める存在でもありました。

伝統に縛られない大胆な素材使い、クラシックとストリートの境界を軽やかに横断する発想。
それは単なる「美しい服づくり」にとどまらず、着る人のライフスタイルそのものを拡張する提案でもありました。
このジャケットに漂う知性と躍動感の両立は、その哲学を体現しているといえるでしょう。


90年代から2000年代初頭の空気を映しながら、現代のスタイルにも自然に取り入れられる汎用性を備えた一着。アーカイブとしての価値はもちろん、リアルクローズとしての即戦力も兼ね備えています。

クラシックとモダンの交差点を生き生きと示すジャケットとして、ワードローブに加える意味を持つ稀有なプロダクトです。


Measurement : サイズ情報

Size : 50 (日本人メンズL-XL相当）
平置き採寸 : 肩幅 47cm 身幅 57cm 袖丈 69cm 着丈 64cm

Condition :商品状態

フロントボタンが一箇所欠損しております。
着用画像では下部より２つ目が欠損しておりますが一つずらして付け直しております。
写真１０枚目にてご確認ください。（最下部）

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