Brand：LOEWE
Material：Calf Leather
Color : Burgundy
Size : 41（26.0〜26.5cm前後）

ロエベと聞いて思い浮かぶのは、今でこそ前衛的なデザインやアンダーソンのクリエイションかもしれません。
ですが、その根底に流れているのはいつの時代も「革のブランド」であるという事実。


起源は1846年、マドリードの小さな皮革工房にまで遡ります。
数人の職人が集まり、手作業で上質な革製品を作り続けていたその工房に、ドイツ人職人エンリケ・ロエベが加わったことで、やがて「LOEWE」という名が生まれました。
19世紀末にはすでにスペイン王室御用達となり、宮廷の人々がこぞって手にしたブランド。
ナッパレザーを筆頭に、柔らかく繊細な素材を見事に仕立て上げるその技術から、「革のロエベ」という呼び名が自然と定着していきました。


20世紀に入ると、その評判はスペイン国内にとどまらず、ヨーロッパ全土へと広がります。
ロエベの革は「革そのものが美しい」という評価を受け、素材の質を隠すのではなく、むしろ前に出すデザイン哲学が徹底されていました。
バッグや小物はもちろんのこと、ウェアやシューズに至るまで、その思想は一貫して受け継がれていきます。




今回の一足は、まさにブランドの精神を象徴する存在。
1990年代後半から2000年代初頭にかけて製作された、イタリア製のハンドメイド・ダービーシューズです。


外羽根式の構造に、スクエア寄りのチゼルトゥを合わせたフォルム。
クラシックとモードが交差した時代ならではのシルエットで、トム・フォード期のグッチをはじめとするイタリアモードの流れとも呼応します。
けれどロエベのアプローチはどこか異なり、流行に乗るだけではなく、革そのものの力を前面に出しているのです。


アッパーには、厚みがありながらもしなやかなダークブラウンのカーフレザーを採用。

履くほどに柔らかさと艶が増し、持ち主だけの表情へと育っていきます。
ロエベのレザーは「素の素材で勝負できる」ことに価値があり、加工や飾り立てに頼る必要がありません。手に取ればすぐに伝わる革質の良さこそが、ブランドのDNAそのものなのです。



さらに目を引くのは、ライトグレーのシューレース。
先端にはレザー巻きのアグレットが施されており、単なる機能以上の遊び心を感じさせます。ソールには「HANDMADE MADE IN ITALY」の刻印とアナグラム。
スペインのブランドでありながら、イタリアの工房でハンドメイドされたことを誇示するディテールは、当時のロエベがクラフツマンシップを国際的に展開していた証といえるでしょう。



recollectionとして魅力を強調したいのは、この一足が示す「革を纏う体験」。
クラシックな外羽根式ダービーの安心感に、スクエアトゥのモードな感覚が加わることで、時代性を纏いながらも普遍的に履けるシルエットに仕上がっています。
そして何よりも、アッパーのカーフレザーが放つ存在感は、この靴のすべてを物語っています。


ロエベの歴史は150年以上にわたり革と共に歩んできました。
その歩みの中で作られたこの靴は、流行やデザイン性だけでは語れない「素材への誇り」を宿しています。



採寸情報
Size：41　[表記]　(日本サイズ 26.0〜26.5cm前後相当)
平置き採寸 : ソール全長 約28.5cm 底幅 6.5cm ソール高 2.8cm 甲周り 約19cm(羽根の付け根の位置で計測）

Condition：商品状態
経年によるレザーの小傷が見られますが、全体的に傷の少ないグッドコンディション。
ヴィンテージ特有の風合いとしてお楽しみください。

Attention

・商品は一点物のVintageになる為、SOLDになった場合全く同じアイテムの再入荷はございません、予めご了承下さい。

・採寸方法により、若干の誤差がある場合がございます、予めご了承下さい。

・Vintage商品の為、使用感や経年劣化がある場合がございます。
ご購入後の返品・交換は受け付けておりませんのでVintage商品にご理解のある方のみご購入をお願い致します。

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