[Late 1990’s] “HERMÈS” Cashmere Raglan Knit Sweater – Made in Italy(Designed by Véronique Nichanian)
Brand : Hermès
Material : Cashmere 100%
Color : Green
Size : M
Model:175cm 65kg
1990年代後半から2000年代初頭にかけて、ヴェロニク・ニシャニアンが手がけたHERMÈS Hommeは、メンズウェアにおける“構築の美”を再定義した時代でした。
テーラリングからニット、そして日常の中の素材まで、すべてのプロダクトに「知的な手仕事」を宿らせたのが彼女の特徴です。
本作は、その時代を象徴する一着。
深く沈むようなグリーンの色調、完璧なテンションで編み上げられたフルファッション構造、そしてカシミヤが放つ自然な艶。
どれを取っても、この時期のHERMÈSが到達していた完成度の高さを物語ります。
編み構造はラグランスリーブ仕様。肩から袖にかけて緻密に計算された減らし目が走り、縫い合わせではなく編みそのものの密度変化で立体的なラインを形成しています。
この手法により、ニットが身体の動きに柔軟に追随し、同時にフォルムを保つという理想的な構造が実現されています。
糸はカシミヤ100%と推定されます。
当時のHERMÈSでは、イタリアのBiagioli Modesto社やCariaggi社の糸を多く採用しており、この個体もその系譜にあるでしょう。
繊維表面に油脂を多く残した糸を使用することで、光の角度によって表情が変わる“湿度のある艶”が生まれています。
触れるとしっとりとした粘りがあり、空気を抱くような軽さ。
まるで繊維そのものが呼吸しているかのような感触は、当時のHERMÈSが求めた「素材そのものが語る服」の象徴でもあります。
そして特筆すべきは、この深いグリーン。
黒にもネイビーにも還元されない、森の奥のような色調。
染料を幾層にも重ねず、糸本来の透明感を残す“浅染め”によって得られるものです。
人工的な発色ではなく、自然光の下でゆるやかに変化する“生きた色”。
光を受けた瞬間、繊維の奥に潜む油分がわずかに反射し、柔らかい陰影を作ります。
このグリーンを纏ったニットは、まさに当時のHERMÈSが追求した「沈黙の中の知性」。
デザイン的な主張を削ぎ落とし、素材と構造そのものが美の中心に置かれている。
それはミニマリズムとは異なる、触感を通じた哲学的アプローチです。
袖口や裾のリブも完璧なテンションで整えられ、波打つようなゆがみが一切ありません。
この精度の高さは、現代の大量生産ではほぼ再現不可能なもの。
糸の選定から仕上げまでを一貫して職人の手に委ねていた、HERMÈSの最盛期ならではの仕事です。
この一着には、“贅沢”という言葉の原義が詰まっています。
それは見た目の豪華さではなく、時間と技術を惜しみなく注ぎ込むこと。
たった一枚のニットの中に、素材、構造、色彩、そして哲学が静かに共存している。
手に取ると、まずその軽さに驚きます。
そして袖を通すと、糸の温度がゆっくりと体温に馴染み、柔らかく包み込むように形が整っていく。
HERMÈSのカシミヤニットが他と異なるのは、まさにこの“時間とともに完成していく感覚”にあります。
——日常の中で、最も多くを語らずとも最も美しい構築物。
それが、このHERMÈSのカシミヤニットです。
Measurements:サイズ情報
表記 : M(日本メンズサイズL相当)
平置き寸法 : 着丈 69cm 身幅 54cm 裄丈 100cm
Condition:商品状態
カシミヤセーターのふんわりとした起毛感こそございますが、ダメージのないグッドコンディションの一着です。
Attention
・商品は一点物のVintageになる為、SOLDになった場合全く同じアイテムの再入荷はございません、予めご了承下さい。
・採寸方法により、若干の誤差がある場合がございます、予めご了承下さい。
・Vintage商品の為、使用感や経年劣化がある場合がございます。
ご購入後の返品・交換は受け付けておりませんのでVintage商品にご理解のある方のみご購入をお願い致します。
・商品の色味は出来る限り肉眼で見た場合に近いよう調整しておりますが、お手元のブラウザによって見え方が変わることがあります。
他にも商品に関するご質問があれば、お気軽にお問い合わせ下さい。
Brand : Hermès
Material : Cashmere 100%
Color : Green
Size : M
Model:175cm 65kg
1990年代後半から2000年代初頭にかけて、ヴェロニク・ニシャニアンが手がけたHERMÈS Hommeは、メンズウェアにおける“構築の美”を再定義した時代でした。
テーラリングからニット、そして日常の中の素材まで、すべてのプロダクトに「知的な手仕事」を宿らせたのが彼女の特徴です。
本作は、その時代を象徴する一着。
深く沈むようなグリーンの色調、完璧なテンションで編み上げられたフルファッション構造、そしてカシミヤが放つ自然な艶。
どれを取っても、この時期のHERMÈSが到達していた完成度の高さを物語ります。
編み構造はラグランスリーブ仕様。肩から袖にかけて緻密に計算された減らし目が走り、縫い合わせではなく編みそのものの密度変化で立体的なラインを形成しています。
この手法により、ニットが身体の動きに柔軟に追随し、同時にフォルムを保つという理想的な構造が実現されています。
糸はカシミヤ100%と推定されます。
当時のHERMÈSでは、イタリアのBiagioli Modesto社やCariaggi社の糸を多く採用しており、この個体もその系譜にあるでしょう。
繊維表面に油脂を多く残した糸を使用することで、光の角度によって表情が変わる“湿度のある艶”が生まれています。
触れるとしっとりとした粘りがあり、空気を抱くような軽さ。
まるで繊維そのものが呼吸しているかのような感触は、当時のHERMÈSが求めた「素材そのものが語る服」の象徴でもあります。
そして特筆すべきは、この深いグリーン。
黒にもネイビーにも還元されない、森の奥のような色調。
染料を幾層にも重ねず、糸本来の透明感を残す“浅染め”によって得られるものです。
人工的な発色ではなく、自然光の下でゆるやかに変化する“生きた色”。
光を受けた瞬間、繊維の奥に潜む油分がわずかに反射し、柔らかい陰影を作ります。
このグリーンを纏ったニットは、まさに当時のHERMÈSが追求した「沈黙の中の知性」。
デザイン的な主張を削ぎ落とし、素材と構造そのものが美の中心に置かれている。
それはミニマリズムとは異なる、触感を通じた哲学的アプローチです。
袖口や裾のリブも完璧なテンションで整えられ、波打つようなゆがみが一切ありません。
この精度の高さは、現代の大量生産ではほぼ再現不可能なもの。
糸の選定から仕上げまでを一貫して職人の手に委ねていた、HERMÈSの最盛期ならではの仕事です。
この一着には、“贅沢”という言葉の原義が詰まっています。
それは見た目の豪華さではなく、時間と技術を惜しみなく注ぎ込むこと。
たった一枚のニットの中に、素材、構造、色彩、そして哲学が静かに共存している。
手に取ると、まずその軽さに驚きます。
そして袖を通すと、糸の温度がゆっくりと体温に馴染み、柔らかく包み込むように形が整っていく。
HERMÈSのカシミヤニットが他と異なるのは、まさにこの“時間とともに完成していく感覚”にあります。
——日常の中で、最も多くを語らずとも最も美しい構築物。
それが、このHERMÈSのカシミヤニットです。
Measurements:サイズ情報
表記 : M(日本メンズサイズL相当)
平置き寸法 : 着丈 69cm 身幅 54cm 裄丈 100cm
Condition:商品状態
カシミヤセーターのふんわりとした起毛感こそございますが、ダメージのないグッドコンディションの一着です。
Attention
・商品は一点物のVintageになる為、SOLDになった場合全く同じアイテムの再入荷はございません、予めご了承下さい。
・採寸方法により、若干の誤差がある場合がございます、予めご了承下さい。
・Vintage商品の為、使用感や経年劣化がある場合がございます。
ご購入後の返品・交換は受け付けておりませんのでVintage商品にご理解のある方のみご購入をお願い致します。
・商品の色味は出来る限り肉眼で見た場合に近いよう調整しておりますが、お手元のブラウザによって見え方が変わることがあります。
1MILE COUPON獲得
※ メンバーシップに登録し、購入をすると獲得できます。
※こちらの価格には消費税が含まれています。
※別途送料がかかります。送料を確認する
※¥50,000以上のご注文で国内送料が無料になります。
※この商品は海外配送できる商品です。
