Brand : BONEVILLE
Material : Wool 45%/Acrylic 37%/Alpaca 15%/Rayon 3%
Color : Gray
Size : 4
Model：175cm 65kg

1980年代後半から1990年代初頭にかけて、
Massimo Ostiが自らの思想を最も自由に展開していた場所が「Boneville」でした。

C.P. CompanyやStone Islandがそれぞれ“都市”と“実験”を象徴していたのに対し、
Bonevilleは“人間そのものの衣服”を探求する場。
その根底にあったのは、「素材に知性を与える」という構想でした。


本作は1989〜1991年頃に製造されたと考えられる、Sportswear Company期のプロダクト。
内部タグには同社表記が確認でき、C.P.やStone Islandと同一の工場で編み立てられています。
しかしその思想は、明らかに異なる方向を向いていました。



素材構成は、ウール45%、アクリル37%、アルパカ15%、ビスコース3%。
このブレンドは単なる“混紡”ではなく、物質の対話です。
ウールの保温性と弾力、アクリルの軽量性と安定、
アルパカの毛足による光の反射、そしてビスコースの湿度調整と艶。
それぞれの特性が補い合い、自然と人工の境界を曖昧にするように設計されています。



Massimo Ostiは、ナイロンやガーメントダイなどの“外的な機能加工”を超え、
この時期、素材そのものを構造的に再設計する試みに没頭していました。
Bonevilleはその研究の延長線上にあり、
このニットはその思想がもっとも柔らかな形で結実した例です。



ケーブル編みは単なる装飾ではなく、編み目そのものが立体的な骨格構造として機能しています。
ゆるやかに落ちるVネックは、防寒服というよりも、
「人間の温度を包み込む」ための曲線として設計されている。

その姿はどこかクラシックなフィッシャーマンニットを思わせつつも、
素材の配合と構造の精度が、伝統を完全に再構築している。
まさに工業的理性をもったハンドクラフト。

色合いも印象的です。
グレーやチャコールの糸が入り混じるメランジは、
視覚的にも「天然と人工の交差」を象徴しています。
光の加減で陰影が変化し、編地の奥に柔らかな艶が浮かぶ。
まるで、金属と羊毛の間に存在するかのような不思議な質感です。


Massimo Ostiは後年、「ファッションではなく“テクノロジーとしての服”を作りたかった」と語っています。

Bonevilleのニットは、その言葉を裏付ける存在。
そこにラベルがあるから価値があるのではなく、
素材の構造そのものが“思想”として完結している。


柔らかく、どこまでも理性的な一着。
このニットを前にすると、Ostiがなぜ「服はデザインではなく構造だ」と言い切ったのかが、
手の中で確かに理解できるはずです。


Measurement : サイズ情報

表記：4 (日本メンズサイズ L相当)
平置き採寸 : 肩幅 53cm 身幅 60cm 着丈 70cm 袖丈 60cm

Condition：商品状態

Vintageニットウェア特有のふっくら感（着用感）こそございますが、目立ったダメージのないグッドコンディションです。

Attention

・商品は一点物のVintageになる為、SOLDになった場合全く同じアイテムの再入荷はございません、予めご了承下さい。

・採寸方法により、若干の誤差がある場合がございます、予めご了承下さい。

・Vintage商品の為、使用感や経年劣化がある場合がございます。
ご購入後の返品・交換は受け付けておりませんのでVintage商品にご理解のある方のみご購入をお願い致します。

・商品の色味は出来る限り肉眼で見た場合に近いよう調整しておりますが、お手元のブラウザによって見え方が変わることがあります。

他にも商品に関するご質問があれば、お気軽にお問い合わせ下さい。