Brand : Hermès
Material : Cotton 100%
Color : Indigo
Size : 42
Model 175cm 65kg


このデニムは、Hermès Hommeにおける「素材の思考」を最も的確に表した一本です。
重厚さよりも密度を、強さよりも精度を。
ヴェロニク・ニシャニアンが手がけるHermèsは、クラシックを更新するために“素材の理性”を求めました。

生地はセルビッジ付きのコットンデニム。
打ち込みの密度が高く、インディゴの染料層が厚く深い。
触れた瞬間にわかるのは、一般的なデニムとは異なる緊張感です。

糸が強く張りを持ちながら、表面は驚くほど滑らかで、光を吸収しながらも微かに返す。
その質感は“布地”というよりも、“素材という構造”に近い。


穿くほどに藍が淡く褪せていくのではなく、表面の層がわずかに透けて陰影が浮かび上がる。
経年の変化ではなく、時間の彫刻のような美しさです。


縫製もまたHermèsらしい緻密さに満ちています。
リベットとボタンはすべて“HERMÈS PARIS”刻印入りのセリエボタン仕様。
輝きを抑えたメタルが生地の青を引き立て、どのステッチも均一で、わずかな歪みもない。
一本の糸の緊張が全体のリズムを作り出しており、工業製品でありながら、ひとつの工芸作品のように見える。
この「正確さの中の温度」が、ニシャニアンの服に共通する美です。
全てのステッチングカラーを、ハウスカラーのオレンジで統一してある点も見逃せません。


シルエットは、ミッドライズのストレート。
腰回りにゆとりを残しつつ、膝下から直線的に落ちるラインは、脚の形をなぞるのではなく、空気をまとわせる。
穿いたときに生まれるわずかな余白こそが、Hermès Hommeのデニムをトラウザーズのように見せています。
パンツというよりも「脚を構築するための布」として設計された造形です。


そして、最大の特徴は“非常にプレーンなデザイン”。

ステッチの一本も、ブランドパッチのパンチングも、何ひとつ主張しない。
しかし、全ての要素が正確な位置に収まっている。
華やかさではなく、構造そのものの美しさによって成り立つ服。
Hermèsの哲学を最も誠実に体現したデニムが、まさにこの一本です。



ニシャニアンが長年語ってきたテーマは「intelligence du quotidien」
——“日常の知性”。


それは、過剰な演出を削ぎ落とし、素材と形だけで品格を表現するという考え方。
このデニムを穿いたときに感じるのは、その思想の輪郭です。
柔らかさと硬度が同居し、理性と感覚が拮抗する。
どの角度から見ても整っているのに、どこか人間的な温度を持っている。


単なるデニムではなく、“Hermèsのトラウザーズがデニムを語ったときの姿”。
これが、このプロダクトの本質です。


Measurements : サイズ情報

表記 : 42 (日本メンズサイズ 33インチ相当)
平置き採寸 : ウエスト84cm 股上25cm 股下71cm わたり幅26cm 裾幅19cm

Condition :商品状態　

デニムウェアならではの”あたり”が出ております。
写真にてご確認ください。

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