[Early 1990s] "Thierry Mugler Paris" Snap Front Leather Jacket (Designed by Thierry Mugler)
¥121,000
Brand : Thierry Mugler
Color : Black
Material : Leather 100%
Size : 50
Model : 175cm 65kg
黒という色は、素材の良し悪しや仕立ての粗を最も残酷に映し出す色ですが、このティエリー・ミュグレーのレザージャケットに関しては、黒であること自体が最大の機能として作用しています。
1990年代、イタリアのファクトリーで製造されたこの個体は、デザイナーズブランドの革製品に求められる美的基準と、実用品としての堅牢さを高い次元で両立させています。
まず目がいくのは、その特異なパターンメイキングです。
通常、レザージャケットの切り替え位置というのは、革の歩留まりを考慮して決定されることが多いものですが、このジャケットのフロントに走るV字のヨークラインは、明らかにデザインとしての意図を持って引かれています。
胸骨の下あたりから鋭角に落ちるラインは、ポケットの開口部と一体化しながら脇へと逃げていきます。
これは、着用者の視線を上へと誘導し、上半身を逆三角形に錯覚させる視覚効果をもたらすと同時に、平面的な革を立体的な人間の胴体に沿わせるための、建築でいうところの「梁」のような役割を果たしています。
ミュグレーは元々バレエダンサーとしてのキャリアを持っており、静止した状態だけでなく、動いた時の身体の筋肉の動きを熟知していました。
そのため、アームホールのカーブや肩の傾斜は、腕を上げた時に裾が過度に持ち上がらないよう計算されており、レザー特有の窮屈さを感じさせない設計になっています。
使用されているマテリアルは、タグに記された「VERA PELLE」の表記以上の情報を、その質感が雄弁に語ります。
おそらくは生後半年以内の仔牛、あるいは厳選されたシープスキンを用いたナッパレザーでしょう。
表面の銀面は非常に滑らかで、毛穴の凹凸が肉眼では確認できないほど均一に整えられています。
オイルを十分に含んでなめされているため、革の内部に微細な気泡を含んでいるかのような弾力があり、指で押すとゆっくりと戻ってくるような粘り気があります。
この革質のおかげで、構築的なシルエットでありながら、生地が不自然に折れ曲がることなく、重力に従って美しいドレープを描きます。
光を受けた時の反射も、安価な顔料仕上げのレザーのようなプラスチック的なテカリではなく、革の繊維の奥から鈍く光るような、深みのある黒色を呈しています。
フロントの仕様にも、引き算の美学が見て取れます。
スナップボタンを採用していますが、全て前立ての中に隠れる比翼仕立てになっています。
これにより、着用時にはボタンやジッパーといった金属パーツが一切表に見えなくなります。
ライダースジャケットのようなハードな要素が完全に排除され、残るのは革の質感とカッティングのラインのみ。
この徹底したミニマリズムが、モードな緊張感を演出しています。
第一ボタンのみを表に出すことも可能ですが、全て留めた時の、まるで一枚の革で体を包み込んだようなストイックな表情こそ、このジャケットの真骨頂と言えるでしょう。
襟の形状もまた、極めてクラシックなシャツカラーを採用しており、襟先をやや長めに設定することで、首元の詰まり感を解消し、顔周りをシャープに見せる効果を持たせています。
内側の作り込みに関しても、イタリア製らしい手抜きのなさが見られます。
裏地には滑りの良い高密度のレーヨン、あるいはキュプラと思われる素材が使用されており、袖を通した瞬間の摩擦抵抗を極限まで減らしています。
また、見えない部分のステッチワークにおいても、革の厚みに合わせて針の太さと糸のテンションが微調整されており、縫い目が革に食い込みすぎて波打つといったパッカリングが起きていません。
これは、薄く柔らかなレザーを縫製する際に高度な技術を要するポイントであり、当時の生産工場のレベルの高さを示唆しています。
特筆すべきは、このジャケットが持つ「重さ」のバランスです。
手に持つとレザー特有の重量感を感じますが、袖を通すとその重さが肩全体に分散され、不思議と軽く感じられます。
これは前述したパターンメイキングの妙であり、首から肩にかけてのラインが日本人の体型にも馴染みやすい角度で設計されているためです。
重心が適切に設定されているため、長時間着用しても首や肩への負担が少なく、日常着としての実用性を損なっていません。
デザイン自体は非常に構築的で、ある種「未来的」な印象さえ与えますが、その根底にあるのはクラシックなテーラリングの技術です。
奇をてらった装飾で個性を出すのではなく、シルエットの美しさと素材の上質さだけで勝負をする。
そうした潔さが、このジャケットを単なる古着ではなく、プロダクトデザインの傑作として成立させています。
トレンドという概念が入り込む隙間がないほどに完成されたフォルムは、所有者がどのように着こなすかという「解釈」の余地を残しながらも、絶対的な美しさの基準としてそこに存在し続けています。
Measurements:サイズ情報
表記:50(日本メンズサイズ L相当)
平置き採寸 : 肩幅 49cm 身幅 57cm 着丈 68cm 袖丈 60cm
Condition:商品状態
表面にわずかな傷がございますが、着用時には目立たない程度です。
写真にてご確認くださいませ。
Attention
・商品は一点物のVintageになる為、SOLDになった場合全く同じアイテムの再入荷はございません、予めご了承下さい。
・採寸方法により、若干の誤差がある場合がございます、予めご了承下さい。
・Vintage商品の為、使用感や経年劣化がある場合がございます。
ご購入後の返品・交換は受け付けておりませんのでVintage商品にご理解のある方のみご購入をお願い致します。
・商品の色味は出来る限り肉眼で見た場合に近いよう調整しておりますが、お手元のブラウザによって見え方が変わることがあります。
他にも商品に関するご質問があれば、お気軽にお問い合わせ下さい。
Brand : Thierry Mugler
Color : Black
Material : Leather 100%
Size : 50
Model : 175cm 65kg
黒という色は、素材の良し悪しや仕立ての粗を最も残酷に映し出す色ですが、このティエリー・ミュグレーのレザージャケットに関しては、黒であること自体が最大の機能として作用しています。
1990年代、イタリアのファクトリーで製造されたこの個体は、デザイナーズブランドの革製品に求められる美的基準と、実用品としての堅牢さを高い次元で両立させています。
まず目がいくのは、その特異なパターンメイキングです。
通常、レザージャケットの切り替え位置というのは、革の歩留まりを考慮して決定されることが多いものですが、このジャケットのフロントに走るV字のヨークラインは、明らかにデザインとしての意図を持って引かれています。
胸骨の下あたりから鋭角に落ちるラインは、ポケットの開口部と一体化しながら脇へと逃げていきます。
これは、着用者の視線を上へと誘導し、上半身を逆三角形に錯覚させる視覚効果をもたらすと同時に、平面的な革を立体的な人間の胴体に沿わせるための、建築でいうところの「梁」のような役割を果たしています。
ミュグレーは元々バレエダンサーとしてのキャリアを持っており、静止した状態だけでなく、動いた時の身体の筋肉の動きを熟知していました。
そのため、アームホールのカーブや肩の傾斜は、腕を上げた時に裾が過度に持ち上がらないよう計算されており、レザー特有の窮屈さを感じさせない設計になっています。
使用されているマテリアルは、タグに記された「VERA PELLE」の表記以上の情報を、その質感が雄弁に語ります。
おそらくは生後半年以内の仔牛、あるいは厳選されたシープスキンを用いたナッパレザーでしょう。
表面の銀面は非常に滑らかで、毛穴の凹凸が肉眼では確認できないほど均一に整えられています。
オイルを十分に含んでなめされているため、革の内部に微細な気泡を含んでいるかのような弾力があり、指で押すとゆっくりと戻ってくるような粘り気があります。
この革質のおかげで、構築的なシルエットでありながら、生地が不自然に折れ曲がることなく、重力に従って美しいドレープを描きます。
光を受けた時の反射も、安価な顔料仕上げのレザーのようなプラスチック的なテカリではなく、革の繊維の奥から鈍く光るような、深みのある黒色を呈しています。
フロントの仕様にも、引き算の美学が見て取れます。
スナップボタンを採用していますが、全て前立ての中に隠れる比翼仕立てになっています。
これにより、着用時にはボタンやジッパーといった金属パーツが一切表に見えなくなります。
ライダースジャケットのようなハードな要素が完全に排除され、残るのは革の質感とカッティングのラインのみ。
この徹底したミニマリズムが、モードな緊張感を演出しています。
第一ボタンのみを表に出すことも可能ですが、全て留めた時の、まるで一枚の革で体を包み込んだようなストイックな表情こそ、このジャケットの真骨頂と言えるでしょう。
襟の形状もまた、極めてクラシックなシャツカラーを採用しており、襟先をやや長めに設定することで、首元の詰まり感を解消し、顔周りをシャープに見せる効果を持たせています。
内側の作り込みに関しても、イタリア製らしい手抜きのなさが見られます。
裏地には滑りの良い高密度のレーヨン、あるいはキュプラと思われる素材が使用されており、袖を通した瞬間の摩擦抵抗を極限まで減らしています。
また、見えない部分のステッチワークにおいても、革の厚みに合わせて針の太さと糸のテンションが微調整されており、縫い目が革に食い込みすぎて波打つといったパッカリングが起きていません。
これは、薄く柔らかなレザーを縫製する際に高度な技術を要するポイントであり、当時の生産工場のレベルの高さを示唆しています。
特筆すべきは、このジャケットが持つ「重さ」のバランスです。
手に持つとレザー特有の重量感を感じますが、袖を通すとその重さが肩全体に分散され、不思議と軽く感じられます。
これは前述したパターンメイキングの妙であり、首から肩にかけてのラインが日本人の体型にも馴染みやすい角度で設計されているためです。
重心が適切に設定されているため、長時間着用しても首や肩への負担が少なく、日常着としての実用性を損なっていません。
デザイン自体は非常に構築的で、ある種「未来的」な印象さえ与えますが、その根底にあるのはクラシックなテーラリングの技術です。
奇をてらった装飾で個性を出すのではなく、シルエットの美しさと素材の上質さだけで勝負をする。
そうした潔さが、このジャケットを単なる古着ではなく、プロダクトデザインの傑作として成立させています。
トレンドという概念が入り込む隙間がないほどに完成されたフォルムは、所有者がどのように着こなすかという「解釈」の余地を残しながらも、絶対的な美しさの基準としてそこに存在し続けています。
Measurements:サイズ情報
表記:50(日本メンズサイズ L相当)
平置き採寸 : 肩幅 49cm 身幅 57cm 着丈 68cm 袖丈 60cm
Condition:商品状態
表面にわずかな傷がございますが、着用時には目立たない程度です。
写真にてご確認くださいませ。
Attention
・商品は一点物のVintageになる為、SOLDになった場合全く同じアイテムの再入荷はございません、予めご了承下さい。
・採寸方法により、若干の誤差がある場合がございます、予めご了承下さい。
・Vintage商品の為、使用感や経年劣化がある場合がございます。
ご購入後の返品・交換は受け付けておりませんのでVintage商品にご理解のある方のみご購入をお願い致します。
・商品の色味は出来る限り肉眼で見た場合に近いよう調整しておりますが、お手元のブラウザによって見え方が変わることがあります。
他にも商品に関するご質問があれば、お気軽にお問い合わせ下さい。
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