[Early-Mid 90’s] “HERMÈS” Wool Hopsack 3B Tailored Set-Up (Designed by Veronique Nichanian / Made in Italy)
Brand : HERMÈS
Material : Wool
Color : Charcoal Gray
Size : Unknown
Model : 172cm 55kg
1988年からエルメスのメンズを率いてきたヴェロニク・ニシャニアン。
彼女が長いキャリアを通して作り続けてきたのは、男性を服の型へ当てはめるためのテーラードではなく、その人自身の身体や生活の中で自然に成立する男性服でした。
後年のインタビューでは、ウールやモヘアをシックで男性的な素材として好みながら、スーツは生地やプロポーションを変えることで新しいものになり得ると話しています。
流行によって男性服の原型を壊すのではなく、素材と身体との距離を変えることで、その時代にふさわしい姿へ更新していく。
30年以上にわたる彼女のエルメスを考えるうえで、とても象徴的な思想です。
本作は90年代前半から中盤頃と考えられる、チャコールグレーのテーラードセットアップ。
一見すれば、極めて端正な意匠。
3つボタンのシングルブレステッドにノッチドラペル、胸のウェルトポケット、腰のフラップポケット。
さらに片側には英国的なチェンジポケットを重ね、袖口には4つのボタン。
男性のテーラードジャケットが長い歴史の中で獲得してきた、厳格なディテールが忠実に並びます。
それでも、実際に袖を通したときの印象は驚くほど柔らかい。
その大きな理由となっているのが、チャコールグレーのウールホップサックです。
細かな凹凸を持つ織り組織は、平滑な梳毛のスーツ地とは異なり、光を均一に返しません。
深いチャコールの中にわずかな陰影が生まれ、仕立ての輪郭そのものを柔らかく見せています。
端正でありながら緊張感を生みすぎず、フォーマルな色でありながら日常のニットやカットソーにも自然に馴染む。
この素材を選んだ時点で、既に一般的なスーツとは少し違う場所へ向かっています。
仕立ても同様です。
肩にはジャケットとしての構築を残しながら、肩先を強調する硬さはなく、胸から裾にかけても身体を強く絞り込みません。
長めに取られた着丈と適度な身幅が身体との間に余白を作り、歩けば生地がその動きに沿ってついてくる。
厳格なテーラードの構造を崩したのではなく、その構造を保ったまま緊張だけを取り除いている。
ここに、ヴェロニクのソフトテーラリングの美しさがあります。
袖口は飾りではなく、実際にボタンを開閉することのできる本切羽。
ボタンを外して袖を返せば、その内側から覗くのはエルメスを象徴するオレンジのストライプです。
チャコールグレーの端正な表情の内側に隠された、ごく僅かな色彩。
これほど柔らかく身体から離れるプロポーションだからこそ、テーラードだからといって行儀よく着る必要もないのだと思います。
本切羽を開き、そのまま袖を無造作に捲ってしまう。
すると内側のオレンジが覗き、厳格な男性服だったはずのジャケットが、一気に日常の服へと近づいていく。
きちんと仕立てられているからこそ、少し崩しても品格を失わない。
その余裕まで含めて、ヴェロニク・ニシャニアンのエルメスなのでしょう。
パンツもまた装飾的な操作を加えることなく、腰回りから腿へ自然な分量を残したノープリーツのストレートシルエット。
ジャケットと合わせれば美しい一本の縦線が生まれますが、それぞれを単体で見れば、ジャケットはカーディガンのように羽織ることができ、トラウザーは日常の一本として成立します。
エルメスというメゾンの高度な仕立てを使えば、もっと威厳のあるスーツを作ることもできたはずです。
しかしヴェロニクが選んだのは、男性服としての品格を一切失うことなく、その威圧感だけを消していくこと。
英国的なチェンジポケットも、3つボタンも、チャコールグレーも、すべてはクラシックの語彙。
それらをホップサックの質感と柔らかな構築、そして身体から僅かに離したプロポーションによって組み直すことで、厳格だったはずのテーラードが驚くほどモダンな日常着へ変わっています。
172cm、55kgのモデルが着用しても十分な分量がありますが、いわゆるオーバーサイズという印象には着地しません。
大きいのではなく、身体を自由にしている。
ヴェロニクが長年追求してきた男性服のエレガンスとは、こうした僅かな違いの中にあるのだと思います。
そして今回、何より嬉しいのはジャケットとトラウザーがセットアップとして揃って残っていること。
単体で市場に現れる90年代のエルメス・メンズとは異なり、同じ生地、同じ思想のもとに設計された上下を、本来想定されていたバランスのまま見ることができます。
30年以上の時間を経た男性服であることを考えれば、上下が離れることなく今日まで残された個体との出会いは、ひとつの幸運と言ってもいいでしょう。
クラシックを壊さず、けれどクラシックに縛られない。
チャコールグレーの端正な佇まいの内側に、身体を自由にする柔らかさを忍ばせる。
スーツを特別な日の制服から、日常を美しく過ごすための服へ。
ヴェロニク・ニシャニアンがエルメスで長い時間をかけて築いてきた美学を、本来あるべき上下揃った姿で感じていただける希少なセットアップです。
Measurements:サイズ情報
Size : unknown (日本メンズサイズ L相当)
平置き採寸 : Jacket 肩幅 49cm 身幅 58cm 着丈 75cm 袖丈 61cm
Pants ウエスト 86cm ワタリ 29cm 股上 29cm 股下 75cm 裾幅 20cm
Condition :商品状態
ジャケット裏地下部に破れがざいますが、着用に関与しない場所でございます。
全体的に着用感こそございますが、表に目立つダメージのないコンディション。
Attention
・商品は一点物のVintageになる為、SOLDになった場合全く同じアイテムの再入荷はございません、予めご了承下さい。
・採寸方法により、若干の誤差がある場合がございます、予めご了承下さい。
・Vintage商品の為、使用感や経年劣化がある場合がございます。
ご購入後の返品・交換は受け付けておりませんのでVintage商品にご理解のある方のみご購入をお願い致します。
・商品の色味は出来る限り肉眼で見た場合に近いよう調整しておりますが、お手元のブラウザによって見え方が変わることがあります。
他にも商品に関するご質問があれば、お気軽にお問い合わせ下さい。
Brand : HERMÈS
Material : Wool
Color : Charcoal Gray
Size : Unknown
Model : 172cm 55kg
1988年からエルメスのメンズを率いてきたヴェロニク・ニシャニアン。
彼女が長いキャリアを通して作り続けてきたのは、男性を服の型へ当てはめるためのテーラードではなく、その人自身の身体や生活の中で自然に成立する男性服でした。
後年のインタビューでは、ウールやモヘアをシックで男性的な素材として好みながら、スーツは生地やプロポーションを変えることで新しいものになり得ると話しています。
流行によって男性服の原型を壊すのではなく、素材と身体との距離を変えることで、その時代にふさわしい姿へ更新していく。
30年以上にわたる彼女のエルメスを考えるうえで、とても象徴的な思想です。
本作は90年代前半から中盤頃と考えられる、チャコールグレーのテーラードセットアップ。
一見すれば、極めて端正な意匠。
3つボタンのシングルブレステッドにノッチドラペル、胸のウェルトポケット、腰のフラップポケット。
さらに片側には英国的なチェンジポケットを重ね、袖口には4つのボタン。
男性のテーラードジャケットが長い歴史の中で獲得してきた、厳格なディテールが忠実に並びます。
それでも、実際に袖を通したときの印象は驚くほど柔らかい。
その大きな理由となっているのが、チャコールグレーのウールホップサックです。
細かな凹凸を持つ織り組織は、平滑な梳毛のスーツ地とは異なり、光を均一に返しません。
深いチャコールの中にわずかな陰影が生まれ、仕立ての輪郭そのものを柔らかく見せています。
端正でありながら緊張感を生みすぎず、フォーマルな色でありながら日常のニットやカットソーにも自然に馴染む。
この素材を選んだ時点で、既に一般的なスーツとは少し違う場所へ向かっています。
仕立ても同様です。
肩にはジャケットとしての構築を残しながら、肩先を強調する硬さはなく、胸から裾にかけても身体を強く絞り込みません。
長めに取られた着丈と適度な身幅が身体との間に余白を作り、歩けば生地がその動きに沿ってついてくる。
厳格なテーラードの構造を崩したのではなく、その構造を保ったまま緊張だけを取り除いている。
ここに、ヴェロニクのソフトテーラリングの美しさがあります。
袖口は飾りではなく、実際にボタンを開閉することのできる本切羽。
ボタンを外して袖を返せば、その内側から覗くのはエルメスを象徴するオレンジのストライプです。
チャコールグレーの端正な表情の内側に隠された、ごく僅かな色彩。
これほど柔らかく身体から離れるプロポーションだからこそ、テーラードだからといって行儀よく着る必要もないのだと思います。
本切羽を開き、そのまま袖を無造作に捲ってしまう。
すると内側のオレンジが覗き、厳格な男性服だったはずのジャケットが、一気に日常の服へと近づいていく。
きちんと仕立てられているからこそ、少し崩しても品格を失わない。
その余裕まで含めて、ヴェロニク・ニシャニアンのエルメスなのでしょう。
パンツもまた装飾的な操作を加えることなく、腰回りから腿へ自然な分量を残したノープリーツのストレートシルエット。
ジャケットと合わせれば美しい一本の縦線が生まれますが、それぞれを単体で見れば、ジャケットはカーディガンのように羽織ることができ、トラウザーは日常の一本として成立します。
エルメスというメゾンの高度な仕立てを使えば、もっと威厳のあるスーツを作ることもできたはずです。
しかしヴェロニクが選んだのは、男性服としての品格を一切失うことなく、その威圧感だけを消していくこと。
英国的なチェンジポケットも、3つボタンも、チャコールグレーも、すべてはクラシックの語彙。
それらをホップサックの質感と柔らかな構築、そして身体から僅かに離したプロポーションによって組み直すことで、厳格だったはずのテーラードが驚くほどモダンな日常着へ変わっています。
172cm、55kgのモデルが着用しても十分な分量がありますが、いわゆるオーバーサイズという印象には着地しません。
大きいのではなく、身体を自由にしている。
ヴェロニクが長年追求してきた男性服のエレガンスとは、こうした僅かな違いの中にあるのだと思います。
そして今回、何より嬉しいのはジャケットとトラウザーがセットアップとして揃って残っていること。
単体で市場に現れる90年代のエルメス・メンズとは異なり、同じ生地、同じ思想のもとに設計された上下を、本来想定されていたバランスのまま見ることができます。
30年以上の時間を経た男性服であることを考えれば、上下が離れることなく今日まで残された個体との出会いは、ひとつの幸運と言ってもいいでしょう。
クラシックを壊さず、けれどクラシックに縛られない。
チャコールグレーの端正な佇まいの内側に、身体を自由にする柔らかさを忍ばせる。
スーツを特別な日の制服から、日常を美しく過ごすための服へ。
ヴェロニク・ニシャニアンがエルメスで長い時間をかけて築いてきた美学を、本来あるべき上下揃った姿で感じていただける希少なセットアップです。
Measurements:サイズ情報
Size : unknown (日本メンズサイズ L相当)
平置き採寸 : Jacket 肩幅 49cm 身幅 58cm 着丈 75cm 袖丈 61cm
Pants ウエスト 86cm ワタリ 29cm 股上 29cm 股下 75cm 裾幅 20cm
Condition :商品状態
ジャケット裏地下部に破れがざいますが、着用に関与しない場所でございます。
全体的に着用感こそございますが、表に目立つダメージのないコンディション。
Attention
・商品は一点物のVintageになる為、SOLDになった場合全く同じアイテムの再入荷はございません、予めご了承下さい。
・採寸方法により、若干の誤差がある場合がございます、予めご了承下さい。
・Vintage商品の為、使用感や経年劣化がある場合がございます。
ご購入後の返品・交換は受け付けておりませんのでVintage商品にご理解のある方のみご購入をお願い致します。
・商品の色味は出来る限り肉眼で見た場合に近いよう調整しておりますが、お手元のブラウザによって見え方が変わることがあります。
他にも商品に関するご質問があれば、お気軽にお問い合わせ下さい。
