[90's] "HERMÈS" Cotton Boat Neck Pullover Shirt (Designed by Véronique Nichanian/Made in France)
¥49,500
Brand : HERMÈS
Material : Cotton 100%
Color : Dark Navy
Size : 38
Model : 172cm 55kg
フランスの装いを語る上で、ボートネックのバスクシャツほど普遍的な存在も少ないでしょう。
元来は船乗りのための実用着でありながら、長い年月の中で街へと渡り、やがてフレンチシックを象徴する衣服の一つとして定着したバスクシャツ。
横へ大きく開いたネックラインと簡潔なプルオーバーという構造は、ワークウェアを出自としながら不思議なほど品があり、気負わず着てもどこか端正に映る、フランスらしい美意識を体現する存在でもございます。
今回ご紹介いたしますのは、そんな馴染み深い衣服の輪郭を想起させながら、それを全く異なる方法で成立させた90年代HERMÈSの一着。
1988年よりHERMÈSのメンズプレタポルテを担ってきたVéronique Nichanianは、メゾンの卓越したマテリアルと職人技術を背景にしながらも、それらを殊更に誇示するのではなく、男性の日常へ馴染む洋服へ落とし込んできたデザイナーです。
その仕事を振り返れば、男性服の既成概念を劇的に壊すというより、素材や色、プロポーションを僅かにずらすことで、見慣れた衣服に別の表情を与えるものが多い。
流行によって輪郭を大きく変えることなく、それでも決して保守的には映らないというHERMÈS HOMME特有のモダニティは、彼女の長い仕事の中で培われてきたものと言えるでしょう。
本品も、一見すれば実に簡素なプルオーバー。
しかし、そこに用いられているのは伸縮するジャージーではなく、薄手で滑らかなCotton 100%のシャーティング生地であり、袖先にはボタン留めのカフス、胸元には端正なパッチポケットが配されています。
横へ大きく開いたボートネックと頭から被るプルオーバーという、バスクシャツを思わせる極めてフランス的な輪郭を持ちながら、その構成を布帛とシャツ縫製によって仕立て直している。
バスクシャツをシャツとして解釈する。
この一言に、本品の面白さは集約されているように思います。
特に秀逸なのが、ボートネックという開放的な首元に対して、袖先にはあえてシャツらしいカフスを残していること。
鎖骨が覗くほど横へ広く取られたネックラインは、一般的なメンズシャツが持つ襟元の緊張から身体を解放し、どこか無造作な色気さえ感じさせます。
一方で視線を袖先へ移せば、そこにはボタンとカフスによる馴染み深いシャツの作法があり、リラックスした造形がカットソーへ傾き切る直前で、再び端正な男性服へと引き戻される。
胸元に置かれた一枚のパッチポケットもまた、装飾というより、この服があくまで「シャツ」であることを示す記号のように映ります。
素材はCotton 100%。
織組織の詳細までは判然といたしませんが、一般的なバスクシャツに用いられる肉厚な編地とは明らかに異なり、薄手の布帛ならではの軽さと張りを備えています。
そのため身体へ伸縮して沿うのではなく、身頃には適度な空間が生まれ、動くたびに生地そのものが折れながら陰影を作る。
172cm 55kgでサイズ38を着用すると、肩から身頃には十分なゆとりがありながら、現代的なオーバーサイズとは異なる収まりを見せます。
そして何より、この深いネイビーが良い。
ブラックほど強くなく、ブルーほど軽快でもない色調は、使い込まれたコットンの表面と相まって僅かな濃淡を帯び、ポケットや縫製部分には少しずつアタリが現れています。
完成された状態を保つドレスシャツとは違い、着るほどに褪色し、皺を刻みながら持ち主の身体へ馴染んでいくことまで、この素材選びには含まれているように感じられます。
ボートネック、プルオーバー、パッチポケット、そしてシャツカフス。
取り出してみれば、どれも決して特別なディテールではございません。
しかし、バスクシャツとドレスシャツという性格の異なる二つの衣服の文法を重ねながら、どちらか一方へ寄せるのではなく、その中間に新しい均衡を見出している。
大仰なデザインを必要とせず、既に存在するもの同士の関係を組み替えるだけで、見慣れたはずの男性服をこれほど新鮮に見せられることに、ニシャニアンの審美眼が表れているのでしょう。
スラックスへ合わせればシャツとしての端正さが残り、色の抜けたデニムや軍パンであればバスクシャツ本来の気楽さが顔を覗かせる。
作り込んだスタイリングよりも、袖を無造作に捲り、少し広い首元から肌を覗かせるくらいが、この服にはよく似合います。
フランスで長く親しまれてきた普遍的な衣服を下敷きにしながら、HERMÈSのマテリアルと仕立てによって、その佇まいだけを鮮やかに更新する。
新しいものを作ることと、見慣れたものを新しく見せることは、決して同じではありません。
後者にこそVéronique Nichanianの巧さを感じていただける、非常にHERMÈSらしい一着でございます。
Measurement : サイズ情報
表記 : 38/15 (日本メンズサイズ M 相当)
平置き採寸 : 肩幅 48cm 身幅 56cm 着丈 71cm 袖丈 66cm
Condition :商品状態
着用感こそございますが、目立つダメージのないグッドコンディション。
Attention
・商品は一点物のVintageになる為、SOLDになった場合全く同じアイテムの再入荷はございません、予めご了承下さい。
・採寸方法により、若干の誤差がある場合がございます、予めご了承下さい。
・Vintage商品の為、使用感や経年劣化がある場合がございます。
ご購入後の返品・交換は受け付けておりませんのでVintage商品にご理解のある方のみご購入をお願い致します。
・商品の色味は出来る限り肉眼で見た場合に近いよう調整しておりますが、お手元のブラウザによって見え方が変わることがあります。
他にも商品に関するご質問があれば、お気軽にお問い合わせ下さい。
Brand : HERMÈS
Material : Cotton 100%
Color : Dark Navy
Size : 38
Model : 172cm 55kg
フランスの装いを語る上で、ボートネックのバスクシャツほど普遍的な存在も少ないでしょう。
元来は船乗りのための実用着でありながら、長い年月の中で街へと渡り、やがてフレンチシックを象徴する衣服の一つとして定着したバスクシャツ。
横へ大きく開いたネックラインと簡潔なプルオーバーという構造は、ワークウェアを出自としながら不思議なほど品があり、気負わず着てもどこか端正に映る、フランスらしい美意識を体現する存在でもございます。
今回ご紹介いたしますのは、そんな馴染み深い衣服の輪郭を想起させながら、それを全く異なる方法で成立させた90年代HERMÈSの一着。
1988年よりHERMÈSのメンズプレタポルテを担ってきたVéronique Nichanianは、メゾンの卓越したマテリアルと職人技術を背景にしながらも、それらを殊更に誇示するのではなく、男性の日常へ馴染む洋服へ落とし込んできたデザイナーです。
その仕事を振り返れば、男性服の既成概念を劇的に壊すというより、素材や色、プロポーションを僅かにずらすことで、見慣れた衣服に別の表情を与えるものが多い。
流行によって輪郭を大きく変えることなく、それでも決して保守的には映らないというHERMÈS HOMME特有のモダニティは、彼女の長い仕事の中で培われてきたものと言えるでしょう。
本品も、一見すれば実に簡素なプルオーバー。
しかし、そこに用いられているのは伸縮するジャージーではなく、薄手で滑らかなCotton 100%のシャーティング生地であり、袖先にはボタン留めのカフス、胸元には端正なパッチポケットが配されています。
横へ大きく開いたボートネックと頭から被るプルオーバーという、バスクシャツを思わせる極めてフランス的な輪郭を持ちながら、その構成を布帛とシャツ縫製によって仕立て直している。
バスクシャツをシャツとして解釈する。
この一言に、本品の面白さは集約されているように思います。
特に秀逸なのが、ボートネックという開放的な首元に対して、袖先にはあえてシャツらしいカフスを残していること。
鎖骨が覗くほど横へ広く取られたネックラインは、一般的なメンズシャツが持つ襟元の緊張から身体を解放し、どこか無造作な色気さえ感じさせます。
一方で視線を袖先へ移せば、そこにはボタンとカフスによる馴染み深いシャツの作法があり、リラックスした造形がカットソーへ傾き切る直前で、再び端正な男性服へと引き戻される。
胸元に置かれた一枚のパッチポケットもまた、装飾というより、この服があくまで「シャツ」であることを示す記号のように映ります。
素材はCotton 100%。
織組織の詳細までは判然といたしませんが、一般的なバスクシャツに用いられる肉厚な編地とは明らかに異なり、薄手の布帛ならではの軽さと張りを備えています。
そのため身体へ伸縮して沿うのではなく、身頃には適度な空間が生まれ、動くたびに生地そのものが折れながら陰影を作る。
172cm 55kgでサイズ38を着用すると、肩から身頃には十分なゆとりがありながら、現代的なオーバーサイズとは異なる収まりを見せます。
そして何より、この深いネイビーが良い。
ブラックほど強くなく、ブルーほど軽快でもない色調は、使い込まれたコットンの表面と相まって僅かな濃淡を帯び、ポケットや縫製部分には少しずつアタリが現れています。
完成された状態を保つドレスシャツとは違い、着るほどに褪色し、皺を刻みながら持ち主の身体へ馴染んでいくことまで、この素材選びには含まれているように感じられます。
ボートネック、プルオーバー、パッチポケット、そしてシャツカフス。
取り出してみれば、どれも決して特別なディテールではございません。
しかし、バスクシャツとドレスシャツという性格の異なる二つの衣服の文法を重ねながら、どちらか一方へ寄せるのではなく、その中間に新しい均衡を見出している。
大仰なデザインを必要とせず、既に存在するもの同士の関係を組み替えるだけで、見慣れたはずの男性服をこれほど新鮮に見せられることに、ニシャニアンの審美眼が表れているのでしょう。
スラックスへ合わせればシャツとしての端正さが残り、色の抜けたデニムや軍パンであればバスクシャツ本来の気楽さが顔を覗かせる。
作り込んだスタイリングよりも、袖を無造作に捲り、少し広い首元から肌を覗かせるくらいが、この服にはよく似合います。
フランスで長く親しまれてきた普遍的な衣服を下敷きにしながら、HERMÈSのマテリアルと仕立てによって、その佇まいだけを鮮やかに更新する。
新しいものを作ることと、見慣れたものを新しく見せることは、決して同じではありません。
後者にこそVéronique Nichanianの巧さを感じていただける、非常にHERMÈSらしい一着でございます。
Measurement : サイズ情報
表記 : 38/15 (日本メンズサイズ M 相当)
平置き採寸 : 肩幅 48cm 身幅 56cm 着丈 71cm 袖丈 66cm
Condition :商品状態
着用感こそございますが、目立つダメージのないグッドコンディション。
Attention
・商品は一点物のVintageになる為、SOLDになった場合全く同じアイテムの再入荷はございません、予めご了承下さい。
・採寸方法により、若干の誤差がある場合がございます、予めご了承下さい。
・Vintage商品の為、使用感や経年劣化がある場合がございます。
ご購入後の返品・交換は受け付けておりませんのでVintage商品にご理解のある方のみご購入をお願い致します。
・商品の色味は出来る限り肉眼で見た場合に近いよう調整しておりますが、お手元のブラウザによって見え方が変わることがあります。
他にも商品に関するご質問があれば、お気軽にお問い合わせ下さい。
