[90's] "BERNARD ZINS" Heavy Cotton Twill Trousers
Brand : BERNARD ZINS
Material : Cotton -Probably-
Color : Beige Khaki
Size : 44
Model : 172cm 55kg
パンツという衣服は、ジャケットやシャツと比べれば一見すると簡素に見える。
しかし実際には、ウエスト、ヒップ、腿、膝、裾という身体の連続を一本の線として整えながら、立つ、座る、歩くという動作まで成立させなければならない。
装飾によって個性を与える余地が少ないからこそ、その良し悪しはパターンと縫製、そして生地の扱いに極めて直接的に表れます。
1967年に創業したBERNARD ZINSは、まさにそのパンツという一つのカテゴリーを専門に追究してきたフランスのメーカーです。
創業者Bernard Zinsは服飾学校だけでなく工学的なバックグラウンドを持ち、1950年代にアメリカで新しい衣服製造の技術を学んだ後、長年の研究と特許を経て、Maison自身が「テーラー品質の工業化」と表現する生産体系を確立しました。
その技術はやがてPierre Cardin、Saint Laurent、Lanvin、Céline、HERMÈS、CHANEL、ARNYSといったパリを代表する名門から認められ、各社のトラウザーズを担う存在へと成長していきます。
これほど異なる美意識を持ったメゾンが、なぜ同じパンツメーカーへ辿り着いたのか。
おそらくZINSの強さは、強烈な「ZINSらしさ」を完成品へ押し付けることではなく、それぞれのメゾンが求めるシルエットを、パンツとして正確に成立させられる技術そのものにあったのでしょう。
HERMÈSとSaint Laurentでは当然、求めるパンツの佇まいは異なります。
CHANELやCéline、ARNYSもまた同じではない。
それでも腰に無理なく収まり、動作を妨げず、生地の特性を損なうことなく、狙った輪郭を美しく身体へ落とすという根幹の技術は共通して必要になる。
ZINSが掲げる品質基準を見ても、ウエストベルトの取り付け、生地柄の合わせ、ポケットの処理、アンダーフライに至るまで、表からはほとんど意識されない部分へ細かな規則が設けられています。
主役になるためのメーカーではなく、デザイナーの意図をパンツという構造へ翻訳できる専門家。
数々のメゾンがZINSを必要とした理由は、そこにあるように思います。
今回ご紹介するのは、90年代頃と推察するBERNARD ZINSのHeavy Cotton Twill Trousers。
最も印象的なのは、非常に肉厚なツイル生地です。
組成表示は摩耗によって読み取ることができませんが、実物の質感と織りからはコットンを主体としたものと考えられ、表面には太く明瞭な綾目が現れています。
いわゆる軽快なドレスチノとは異なり、ワークウェアにも通じるほど密度と厚みを持ったマテリアル。
ベージュとオリーブ、グレーの中間にあるような複雑な色調も、長年の着用によってさらに奥行きを増しています。
それほど存在感のある生地を使いながら、造形は驚くほど簡潔。
フロントからタックを完全に排し、腰元から裾まで余計な膨らみを作らず一本の面で構成されています。
股上も必要以上に深く取らず、ヒップと腿には自然な運動量を残しながら、膝から裾へは極端に細くも太くもならないストレート。
172cmの着用でも身体へ張り付くことなく、かといって布が余って見えることもない、非常に均衡の取れた輪郭を描きます。
ここに、ZINSというメーカーの本質がよく表れているのではないでしょうか。
厚いコットンツイルを使えば、通常であればシルエットは重くなりやすい。
しかし、この一本には素材の量感を無理に押さえ込んだ形跡がなく、生地そのものの重さを利用しながら脚へ素直に落としている。
デザインを加えることで生地を制御するのではなく、裁断によって素材と身体との関係を整えているような感覚です。
BERNARD ZINSは70年代から、アメリカのチノをフランスのテーラリングへ置き換えた「Chino Chic」を自身の重要なスタイルとして発展させてきました。
耐久性を持つコットン生地を、単なるカジュアルパンツとしてではなく、ジャケットにも合わせられる一本へ昇華するという思想は現在までMaisonのシグネチャーとして明記されています。
この個体もまさしく、その延長線上で見ることができるでしょう。
ワークウェアにもなり得るヘビーなコットンツイルを使いながら、出来上がったものは極めて端正なトラウザーズ。
素材の粗野さを消すこともなければ、ドレスへ寄せるための過剰な意匠を加えることもない。
素材には素材の役割を、身体には身体の動きを、そしてシルエットにはシルエットの美しさを与える。
BERNARD ZINSという名前が前面に出た一本でありながら、その魅力は雄弁なデザインではなく、穿いたときに初めて現れるもの。
パンツ専業メーカーが長い年月をかけて磨き続けた、素材と身体の間に一本の美しい線を引くための技術。
その価値を最も素朴なコットントラウザーズから感じていただける一着でございます。
Measurement : サイズ情報
表記:44 (日本メンズサイズ 35inch相当)
平置き採寸 : ウエスト 90cm 股上 27cm 股下 88cm わたり幅 30cm 裾幅 21cm
Condition :商品状態
全体的に着用感こそございますが、目立ったダメージのないグッドコンディション。
Attention
・商品は一点物のVintageになる為、SOLDになった場合全く同じアイテムの再入荷はございません、予めご了承下さい。
・採寸方法により、若干の誤差がある場合がございます、予めご了承下さい。
・Vintage商品の為、使用感や経年劣化がある場合がございます。
ご購入後の返品・交換は受け付けておりませんのでVintage商品にご理解のある方のみご購入をお願い致します。
・商品の色味は出来る限り肉眼で見た場合に近いよう調整しておりますが、お手元のブラウザによって見え方が変わることがあります。
他にも商品に関するご質問があれば、お気軽にお問い合わせ下さい。
Brand : BERNARD ZINS
Material : Cotton -Probably-
Color : Beige Khaki
Size : 44
Model : 172cm 55kg
パンツという衣服は、ジャケットやシャツと比べれば一見すると簡素に見える。
しかし実際には、ウエスト、ヒップ、腿、膝、裾という身体の連続を一本の線として整えながら、立つ、座る、歩くという動作まで成立させなければならない。
装飾によって個性を与える余地が少ないからこそ、その良し悪しはパターンと縫製、そして生地の扱いに極めて直接的に表れます。
1967年に創業したBERNARD ZINSは、まさにそのパンツという一つのカテゴリーを専門に追究してきたフランスのメーカーです。
創業者Bernard Zinsは服飾学校だけでなく工学的なバックグラウンドを持ち、1950年代にアメリカで新しい衣服製造の技術を学んだ後、長年の研究と特許を経て、Maison自身が「テーラー品質の工業化」と表現する生産体系を確立しました。
その技術はやがてPierre Cardin、Saint Laurent、Lanvin、Céline、HERMÈS、CHANEL、ARNYSといったパリを代表する名門から認められ、各社のトラウザーズを担う存在へと成長していきます。
これほど異なる美意識を持ったメゾンが、なぜ同じパンツメーカーへ辿り着いたのか。
おそらくZINSの強さは、強烈な「ZINSらしさ」を完成品へ押し付けることではなく、それぞれのメゾンが求めるシルエットを、パンツとして正確に成立させられる技術そのものにあったのでしょう。
HERMÈSとSaint Laurentでは当然、求めるパンツの佇まいは異なります。
CHANELやCéline、ARNYSもまた同じではない。
それでも腰に無理なく収まり、動作を妨げず、生地の特性を損なうことなく、狙った輪郭を美しく身体へ落とすという根幹の技術は共通して必要になる。
ZINSが掲げる品質基準を見ても、ウエストベルトの取り付け、生地柄の合わせ、ポケットの処理、アンダーフライに至るまで、表からはほとんど意識されない部分へ細かな規則が設けられています。
主役になるためのメーカーではなく、デザイナーの意図をパンツという構造へ翻訳できる専門家。
数々のメゾンがZINSを必要とした理由は、そこにあるように思います。
今回ご紹介するのは、90年代頃と推察するBERNARD ZINSのHeavy Cotton Twill Trousers。
最も印象的なのは、非常に肉厚なツイル生地です。
組成表示は摩耗によって読み取ることができませんが、実物の質感と織りからはコットンを主体としたものと考えられ、表面には太く明瞭な綾目が現れています。
いわゆる軽快なドレスチノとは異なり、ワークウェアにも通じるほど密度と厚みを持ったマテリアル。
ベージュとオリーブ、グレーの中間にあるような複雑な色調も、長年の着用によってさらに奥行きを増しています。
それほど存在感のある生地を使いながら、造形は驚くほど簡潔。
フロントからタックを完全に排し、腰元から裾まで余計な膨らみを作らず一本の面で構成されています。
股上も必要以上に深く取らず、ヒップと腿には自然な運動量を残しながら、膝から裾へは極端に細くも太くもならないストレート。
172cmの着用でも身体へ張り付くことなく、かといって布が余って見えることもない、非常に均衡の取れた輪郭を描きます。
ここに、ZINSというメーカーの本質がよく表れているのではないでしょうか。
厚いコットンツイルを使えば、通常であればシルエットは重くなりやすい。
しかし、この一本には素材の量感を無理に押さえ込んだ形跡がなく、生地そのものの重さを利用しながら脚へ素直に落としている。
デザインを加えることで生地を制御するのではなく、裁断によって素材と身体との関係を整えているような感覚です。
BERNARD ZINSは70年代から、アメリカのチノをフランスのテーラリングへ置き換えた「Chino Chic」を自身の重要なスタイルとして発展させてきました。
耐久性を持つコットン生地を、単なるカジュアルパンツとしてではなく、ジャケットにも合わせられる一本へ昇華するという思想は現在までMaisonのシグネチャーとして明記されています。
この個体もまさしく、その延長線上で見ることができるでしょう。
ワークウェアにもなり得るヘビーなコットンツイルを使いながら、出来上がったものは極めて端正なトラウザーズ。
素材の粗野さを消すこともなければ、ドレスへ寄せるための過剰な意匠を加えることもない。
素材には素材の役割を、身体には身体の動きを、そしてシルエットにはシルエットの美しさを与える。
BERNARD ZINSという名前が前面に出た一本でありながら、その魅力は雄弁なデザインではなく、穿いたときに初めて現れるもの。
パンツ専業メーカーが長い年月をかけて磨き続けた、素材と身体の間に一本の美しい線を引くための技術。
その価値を最も素朴なコットントラウザーズから感じていただける一着でございます。
Measurement : サイズ情報
表記:44 (日本メンズサイズ 35inch相当)
平置き採寸 : ウエスト 90cm 股上 27cm 股下 88cm わたり幅 30cm 裾幅 21cm
Condition :商品状態
全体的に着用感こそございますが、目立ったダメージのないグッドコンディション。
Attention
・商品は一点物のVintageになる為、SOLDになった場合全く同じアイテムの再入荷はございません、予めご了承下さい。
・採寸方法により、若干の誤差がある場合がございます、予めご了承下さい。
・Vintage商品の為、使用感や経年劣化がある場合がございます。
ご購入後の返品・交換は受け付けておりませんのでVintage商品にご理解のある方のみご購入をお願い致します。
・商品の色味は出来る限り肉眼で見た場合に近いよう調整しておりますが、お手元のブラウザによって見え方が変わることがあります。
他にも商品に関するご質問があれば、お気軽にお問い合わせ下さい。
