[80's] "SERAPHIN" Lamb Leather Zip Jacket (Made in France)
¥253,000 ($1,602.81)
Brand : SERAPHIN
Material : Lamb Leather 100% / Lining : Viscose 100%
Color : Black
Size : 50
Model : 172cm 55kg
レザーウェアにおいて、素材の良さほど誤魔化しの利かないものはありません。
ましてや装飾を削ぎ落とした簡潔なブルゾンであれば、視線を逸らすものはほとんどなく、革の質感から裁断、縫製、身体へ落ちるシルエットまで、そのすべてが一着の完成度として直接現れます。
今回ご紹介するのは、1975年にパリで創業したレザーウェア専業メーカー、SERAPHINによる一着。
現在に至るまでレザーというひとつの素材を追究し続けてきた稀有なメーカーであり、その根幹にあるのは、優れた革を手に入れることだけではなく、それぞれの革が持つ性質を見極め、衣服として最も美しい状態へ導くための技術です。
世界各地から選定される原皮を前に、一枚ごとの厚みや表情を見ながら裁断し、薄く繊細な革を扱うためには専用の道具まで使い分ける。
パリのアトリエでは裁断から縫製まで一貫して行われ、効率や均質性を優先した工業的な生産とは異なる方法でレザーウェアを作り続けてきました。
その仕事を知ったうえでこの個体を見ると、まずこのラムレザーの凄まじさに目を奪われます。
薄く、驚くほど柔らかでありながら、決して頼りない革ではありません。
指先で触れると極めて細かな粒面が感じられ、表面には人工的に整え切った革とは異なる僅かな起伏が残されている。
そこへ光が当たることで黒の中に細かな濃淡が生まれ、身体を動かせば肩や袖には小さな皺が幾重にも現れます。
SERAPHINは、革を過度な加工によって均質な工業製品へ近づけるのではなく、天然皮革が本来持っている表情を見極めながら一着へ仕立てることを大切にしてきました。
この個体も、まさしくその考え方を体現するもの。
広い背面を眺めれば、革そのものが持つ繊細な表情が一枚の大きな面として現れ、肩から袖へ目を移せば、その薄さと柔軟性によって布帛を思わせるほど自然なドレープを描いています。
そして近くで見るほど、その素材を扱う技術にも驚かされます。
襟の輪郭、胸のパッチポケット、腰のポケット、フロント、裾。
ステッチは非常に細かなピッチで刻まれ、それでいて革端のぎりぎりを正確に走っている。
一度針を落とせば穴が残り、布のように簡単にはやり直すことのできないレザーに対して、これほど端へ寄せながら一定の距離と運針を保つ。
縫い目そのものを装飾として目立たせているわけではありませんが、だからこそ間近で見たとき、その異様なまでの精度が際立ちます。
薄く繊細な革を選ぶほど、裁断にも縫製にも高い技術が要求される。
良い革だから丁寧に仕立てるのではなく、この精度で仕立てることができるからこそ、これほど繊細な革を衣服として扱うことができる。
SERAPHINのレザーウェアには、素材と技術の間にそうした相互関係があるように思います。
そして、このメーカーの技術を語るうえで、HERMÈSとの関係も無視することはできません。
SERAPHINは長くHERMÈSのレザーウェア生産と関わりを持ち、後にはQuai de Valmyで営まれていたメンズレザーウェア製造事業そのものがHERMÈS SELLIERへと引き継がれています。
ただ、HERMÈSとの関係があるからSERAPHINの服に価値が生まれるわけではないのでしょう。
むしろ、この革を見て、革端ぎりぎりを走るステッチを追い、薄いラムレザーを破綻なく大きな面へ仕立てる仕事を見るほどに、なぜSERAPHINの技術が世界最高峰のレザーメゾンと結び付いたのかが自然と理解できる。
その順序で考える方が、このメーカーの本質には近いように思います。
さらに本個体を特別なものにしているのが、これほどの素材と技術を受け止めるデザインの簡潔さです。
小振りなレギュラーカラーに一本のフロントジップ。
胸には角を丸く処理したパッチポケットをひとつ、腰には斜めに切られたハンドポケットを配し、袖口へ金属製のジップを添える。
基本的な構成は、それだけ。
ヴィンテージのラグジュアリーレザーウェアを見ていると、革の重厚さを生かしたカーコートや、ライダースを源流とするモーターサイクルジャケットなど、レザーという素材そのものが持つ力強さと結び付いたデザインに出会うことが少なくありません。
特に80年代という時代を考えれば、そうした明確な原型へ上質な革や高度な仕立てを掛け合わせることは、ラグジュアリーレザーを表現するひとつの完成された方法でした。
対して、このSERAPHINは驚くほどニュートラルです。
エポレットも、ベルトも、リブもない。
金属パーツもフロントと袖口のジップに限られ、レザーウェアであることを強調するための意匠がほとんど存在しません。
どこか上質なシャツをそのままアウターへ置き換えたような、極めて普遍的なブルゾン。
だからこそ、革の良し悪しがそのまま服の良し悪しへ直結します。
デザインによって素材を魅力的に見せるのではなく、素材そのものに服を成立させるだけの力がなければ、この簡潔さは成立しません。
広く取られた背面にはヨークを設けながら、その下には大きな面としてラムレザーを落とし、身体の動きに合わせて柔らかな皺が生まれる。
肩も構築的に張らせることなく自然に落とされ、サイズ50の身幅には十分な余白がありながら、裾をリブで収束させないため輪郭はそのまま下へ流れていきます。
革で身体の形を作るのではなく、身体の上で革そのものに形を作らせる。
SERAPHINがレザーを特殊な素材として構え過ぎず、上質なファブリックと同じように衣服へ落とし込んできた感覚が、このシルエットには非常によく現れています。
80年代の服でありながら、その姿が現在の目にも驚くほどモダンに映る理由もここにあるのでしょう。
そして内側には、SOCIETY CLUB Monte-Carloのネーム。
モンテカルロのラグジュアリーメンズウェアを扱うショップを通して販売された背景も、この一着が当時どのような顧客へ向けられていたのかを想像させる興味深い痕跡です。
しかし、これほど背景のある一着でありながら、最終的に視線が戻ってくるのはやはり革そのもの。
SERAPHINという名前も、HERMÈSとの関係も、モンテカルロという販売背景も、この一着を理解するための文脈にはなりますが、それらを知らなくても、指先で触れればこのラムレザーが尋常ではないことは伝わります。
そしてポケットの輪郭を走る細かなステッチを追えば、その素材を扱う職人の力量まで見えてくる。
最高峰の素材を手にしたとき、それをどれほど複雑な衣服へ仕立てられるかではなく、どこまで何も足さずに成立させることができるのか。
装飾による逃げ場がないからこそ、革の粒面、柔らかさ、裁断、身体への落ち方、そして革端ぎりぎりを走る緻密なステッチ、そのすべてが一着の価値として直接現れています。
SERAPHINというレザー専業メーカーが積み重ねてきた素材への審美眼と職人技術を、これほど純粋な状態で味わうことのできる個体は、同社のヴィンテージの中でもひと際希少でしょう。
40年近い時間を経てもなお古さを感じさせない簡潔な造形と、それだけの時間では到底損なわれない革そのものの美しさ。
SERAPHINの力量を、何よりも雄弁に物語る一着でございます。
Measurements : サイズ情報
表記 : 50 (日本メンズサイズL相当)
平置き採寸 : 肩幅 54cm 身幅 63cm 袖丈 63cm 着丈 68cm
Condition :商品状態
袖周りなどセラファンらしいレザー由来の自然な表情がございますが、傷なども見られない非常に奇跡的なグッドコンディション。
Attention
・商品は一点物のVintageになる為、SOLDになった場合全く同じアイテムの再入荷はございません、予めご了承下さい。
・採寸方法により、若干の誤差がある場合がございます、予めご了承下さい。
・Vintage商品の為、使用感や経年劣化がある場合がございます。
ご購入後の返品・交換は受け付けておりませんのでVintage商品にご理解のある方のみご購入をお願い致します。
・商品の色味は出来る限り肉眼で見た場合に近いよう調整しておりますが、お手元のブラウザによって見え方が変わることがあります。
他にも商品に関するご質問があれば、お気軽にお問い合わせ下さい。
Brand : SERAPHIN
Material : Lamb Leather 100% / Lining : Viscose 100%
Color : Black
Size : 50
Model : 172cm 55kg
レザーウェアにおいて、素材の良さほど誤魔化しの利かないものはありません。
ましてや装飾を削ぎ落とした簡潔なブルゾンであれば、視線を逸らすものはほとんどなく、革の質感から裁断、縫製、身体へ落ちるシルエットまで、そのすべてが一着の完成度として直接現れます。
今回ご紹介するのは、1975年にパリで創業したレザーウェア専業メーカー、SERAPHINによる一着。
現在に至るまでレザーというひとつの素材を追究し続けてきた稀有なメーカーであり、その根幹にあるのは、優れた革を手に入れることだけではなく、それぞれの革が持つ性質を見極め、衣服として最も美しい状態へ導くための技術です。
世界各地から選定される原皮を前に、一枚ごとの厚みや表情を見ながら裁断し、薄く繊細な革を扱うためには専用の道具まで使い分ける。
パリのアトリエでは裁断から縫製まで一貫して行われ、効率や均質性を優先した工業的な生産とは異なる方法でレザーウェアを作り続けてきました。
その仕事を知ったうえでこの個体を見ると、まずこのラムレザーの凄まじさに目を奪われます。
薄く、驚くほど柔らかでありながら、決して頼りない革ではありません。
指先で触れると極めて細かな粒面が感じられ、表面には人工的に整え切った革とは異なる僅かな起伏が残されている。
そこへ光が当たることで黒の中に細かな濃淡が生まれ、身体を動かせば肩や袖には小さな皺が幾重にも現れます。
SERAPHINは、革を過度な加工によって均質な工業製品へ近づけるのではなく、天然皮革が本来持っている表情を見極めながら一着へ仕立てることを大切にしてきました。
この個体も、まさしくその考え方を体現するもの。
広い背面を眺めれば、革そのものが持つ繊細な表情が一枚の大きな面として現れ、肩から袖へ目を移せば、その薄さと柔軟性によって布帛を思わせるほど自然なドレープを描いています。
そして近くで見るほど、その素材を扱う技術にも驚かされます。
襟の輪郭、胸のパッチポケット、腰のポケット、フロント、裾。
ステッチは非常に細かなピッチで刻まれ、それでいて革端のぎりぎりを正確に走っている。
一度針を落とせば穴が残り、布のように簡単にはやり直すことのできないレザーに対して、これほど端へ寄せながら一定の距離と運針を保つ。
縫い目そのものを装飾として目立たせているわけではありませんが、だからこそ間近で見たとき、その異様なまでの精度が際立ちます。
薄く繊細な革を選ぶほど、裁断にも縫製にも高い技術が要求される。
良い革だから丁寧に仕立てるのではなく、この精度で仕立てることができるからこそ、これほど繊細な革を衣服として扱うことができる。
SERAPHINのレザーウェアには、素材と技術の間にそうした相互関係があるように思います。
そして、このメーカーの技術を語るうえで、HERMÈSとの関係も無視することはできません。
SERAPHINは長くHERMÈSのレザーウェア生産と関わりを持ち、後にはQuai de Valmyで営まれていたメンズレザーウェア製造事業そのものがHERMÈS SELLIERへと引き継がれています。
ただ、HERMÈSとの関係があるからSERAPHINの服に価値が生まれるわけではないのでしょう。
むしろ、この革を見て、革端ぎりぎりを走るステッチを追い、薄いラムレザーを破綻なく大きな面へ仕立てる仕事を見るほどに、なぜSERAPHINの技術が世界最高峰のレザーメゾンと結び付いたのかが自然と理解できる。
その順序で考える方が、このメーカーの本質には近いように思います。
さらに本個体を特別なものにしているのが、これほどの素材と技術を受け止めるデザインの簡潔さです。
小振りなレギュラーカラーに一本のフロントジップ。
胸には角を丸く処理したパッチポケットをひとつ、腰には斜めに切られたハンドポケットを配し、袖口へ金属製のジップを添える。
基本的な構成は、それだけ。
ヴィンテージのラグジュアリーレザーウェアを見ていると、革の重厚さを生かしたカーコートや、ライダースを源流とするモーターサイクルジャケットなど、レザーという素材そのものが持つ力強さと結び付いたデザインに出会うことが少なくありません。
特に80年代という時代を考えれば、そうした明確な原型へ上質な革や高度な仕立てを掛け合わせることは、ラグジュアリーレザーを表現するひとつの完成された方法でした。
対して、このSERAPHINは驚くほどニュートラルです。
エポレットも、ベルトも、リブもない。
金属パーツもフロントと袖口のジップに限られ、レザーウェアであることを強調するための意匠がほとんど存在しません。
どこか上質なシャツをそのままアウターへ置き換えたような、極めて普遍的なブルゾン。
だからこそ、革の良し悪しがそのまま服の良し悪しへ直結します。
デザインによって素材を魅力的に見せるのではなく、素材そのものに服を成立させるだけの力がなければ、この簡潔さは成立しません。
広く取られた背面にはヨークを設けながら、その下には大きな面としてラムレザーを落とし、身体の動きに合わせて柔らかな皺が生まれる。
肩も構築的に張らせることなく自然に落とされ、サイズ50の身幅には十分な余白がありながら、裾をリブで収束させないため輪郭はそのまま下へ流れていきます。
革で身体の形を作るのではなく、身体の上で革そのものに形を作らせる。
SERAPHINがレザーを特殊な素材として構え過ぎず、上質なファブリックと同じように衣服へ落とし込んできた感覚が、このシルエットには非常によく現れています。
80年代の服でありながら、その姿が現在の目にも驚くほどモダンに映る理由もここにあるのでしょう。
そして内側には、SOCIETY CLUB Monte-Carloのネーム。
モンテカルロのラグジュアリーメンズウェアを扱うショップを通して販売された背景も、この一着が当時どのような顧客へ向けられていたのかを想像させる興味深い痕跡です。
しかし、これほど背景のある一着でありながら、最終的に視線が戻ってくるのはやはり革そのもの。
SERAPHINという名前も、HERMÈSとの関係も、モンテカルロという販売背景も、この一着を理解するための文脈にはなりますが、それらを知らなくても、指先で触れればこのラムレザーが尋常ではないことは伝わります。
そしてポケットの輪郭を走る細かなステッチを追えば、その素材を扱う職人の力量まで見えてくる。
最高峰の素材を手にしたとき、それをどれほど複雑な衣服へ仕立てられるかではなく、どこまで何も足さずに成立させることができるのか。
装飾による逃げ場がないからこそ、革の粒面、柔らかさ、裁断、身体への落ち方、そして革端ぎりぎりを走る緻密なステッチ、そのすべてが一着の価値として直接現れています。
SERAPHINというレザー専業メーカーが積み重ねてきた素材への審美眼と職人技術を、これほど純粋な状態で味わうことのできる個体は、同社のヴィンテージの中でもひと際希少でしょう。
40年近い時間を経てもなお古さを感じさせない簡潔な造形と、それだけの時間では到底損なわれない革そのものの美しさ。
SERAPHINの力量を、何よりも雄弁に物語る一着でございます。
Measurements : サイズ情報
表記 : 50 (日本メンズサイズL相当)
平置き採寸 : 肩幅 54cm 身幅 63cm 袖丈 63cm 着丈 68cm
Condition :商品状態
袖周りなどセラファンらしいレザー由来の自然な変色がございますが、傷なども見られない非常に奇跡的なグッドコンディション。
Attention
・商品は一点物のVintageになる為、SOLDになった場合全く同じアイテムの再入荷はございません、予めご了承下さい。
・採寸方法により、若干の誤差がある場合がございます、予めご了承下さい。
・Vintage商品の為、使用感や経年劣化がある場合がございます。
ご購入後の返品・交換は受け付けておりませんのでVintage商品にご理解のある方のみご購入をお願い致します。
・商品の色味は出来る限り肉眼で見た場合に近いよう調整しておりますが、お手元のブラウザによって見え方が変わることがあります。
他にも商品に関するご質問があれば、お気軽にお問い合わせ下さい。
