[Early 90's] "HOLLYVEST & WHITES by BELVEST" Pure Cashmere Chesterfield Coat (Made in Italy)
¥99,000 ($630.10)
Brand : HOLLYVEST & WHITES by BELVEST
Material : Cashmere 100%
Color : Charcoal Gray
Size : Unknown
Model : 172cm 55kg
「クラシックでありながら、モダンである。」
このコートの内側に残された言葉ですが、HOLLYVEST & WHITESというブランドの意匠を考えるうえで、これほど分かりやすい表現もないように思います。
その母体となるBELVESTは1964年、イタリア・パドヴァ近郊のピアッツォーラ・スル・ブレンタで創業しました。
BELVESTを単なるイタリアのテーラリングブランドとして語るには、少し説明が足りません。自らの名前で美しいスーツやジャケットを作る一方、その卓越した縫製技術を背景に、GUCCIやPRADAをはじめとするラグジュアリーメゾンの仕立てを担ってきたことでも知られるファクトリー。
表に名前が出ること以上に、「誰の服を作ることを任されてきたか」が、その技術力をよく物語るメーカーでもあります。
その根底にあるのは、プレタポルテでありながらサルトリアの基準を失わないこと。
創業当初から熟練した職人を集め、量産の合理性と仕立て服の感覚をひとつの服の中で両立させてきました。
現在も袖や襟の取り付け、柄合わせ、ボタンホールや最終的なアイロンワークなど重要な工程には職人の手を残しており、しばしばマシンメイドによるテーラリングの最高峰と評される理由も、この工業と手仕事の境界にあります。
そしてBELVESTが面白いのは、仕立ての巧さをそのまま重厚さへ結びつけなかったことです。
70年代にはすでに英国をはじめヨーロッパ各国へ進出し、1978年にはクラシックなテーラリングの構造から身体を解放するアンコンストラクテッドジャケットを開発。
後にはその考え方をスーツやコートへも展開していきます。
伝統的な服を正確に作れる技術を持ちながら、むしろ「どこまで軽くできるか」を考える。
その少し矛盾した発想こそ、BELVESTの服作りの面白さでしょう。
HOLLYVEST & WHITESは、そんなBELVESTが90年代初頭に展開していたブランド。
今回の一着を見る限り、その方向性はBELVEST本体の単なる廉価版というより、イタリアの仕立てを基礎に置きながら、英国服を思わせる端正さを強く意識したものだったのではないでしょうか。
今回ご紹介するのは、ピュアカシミアで仕立てられたシングルのチェスターフィールドコート。
まず目を引くのは、かなり堂々としたラペルです。
しっかりと幅を取ったノッチドラペルから低い位置へフロントが伸び、肩には明確な輪郭を持たせながら、身頃は必要以上に絞り込まない。
長い着丈と合わせて一本の大きな縦線を作る、極めて正統なコートの姿をしています。
ところが、英国的な重厚さをそのまま再現した服ではありません。
肩には芯を感じながらも過度に角張らず、胸から裾へかけての面は柔らかい。
身体の周囲には十分な空間が残り、それでも服だけが先行して大きく見えることがありません。
仕立てによって身体を拘束するのではなく、きちんと輪郭を与えたうえで、その内側に自由を残している。
クラシックな男性服を知り尽くしたメーカーが、それを少し軽くして着せる。
この匙加減には、BELVESTらしい審美眼がよく表れているように感じます。
同社が早くからアンコンストラクテッドな仕立てを研究し、後にはその思想をコートにも展開していったことを考えると、この一着の端正さと柔らかさが同居する佇まいにも納得がいきます。
そして、それをピュアカシミアで作ってしまう、それがラグジュアリー、贅沢です。
チェスターフィールドコートは本来、形そのものに十分な説得力を持った服。
そこへ柄や装飾を足す代わりに、本品では素材へ大きく振っています。
厚みのあるカシミアは表面を細かな毛羽が覆い、チャコールグレーの中に柔らかな濃淡を作る。
ウールであればもう少し硬質に現れそうな大きなラペルも、カシミアを通すことで輪郭だけを残して角が取れ、長い身頃も板のようには落ちず、歩くたびに僅かな動きを伴います。
カシミアだから柔らかい。しかし、柔らかいだけのコートにはしない。
ここがこの一着のハイライトでしょう。
BELVESTは現在もカシミアを、現代的なスタイルとサルトリアの完成度を両立させるための重要な素材として扱っています。
素材そのものの豪華さを誇示するより、その柔らかさを仕立ての中でどう生かすか。
この考え方は、今回の古いHOLLYVEST & WHITESにもよく通じています。
フラップポケット、胸のウェルトポケット、長いセンターベント。
構成だけを書き出せば、驚くほど真面目なチェスターコートです。
むしろ真面目すぎるくらいでしょう。
けれど、その正統な設計をピュアカシミアへ置き換え、イタリアの仕立てによって少しだけ力を抜く。
それだけで、英国的な厳格さとも、柔らかさだけを追求したイタリアンコートとも異なる姿になる。
内側に残された「クラシックでありながらモダン」という思想は、単なるコピーではなかったのだと思います。
90年代初頭、BELVESTがHOLLYVEST & WHITESという名のもとで作った、カシミア100%のチェスターフィールド。
ブランドの背景を知らずとも十分に美しいコートですが、その成り立ちを知れば、なぜこの服がこれほど端正で、それでいて堅苦しく見えないのかが少し分かる気がします。
Measurement : サイズ情報
Size : unknown (日本人メンズサイズM相当)
平置き採寸 : 肩幅 45cm 身幅 54cm 着丈 96cm 袖丈 62cm
Condition :商品状態
目立つダメージのないグッドコンディション。
Attention
・商品は一点物のVintageになる為、SOLDになった場合全く同じアイテムの再入荷はございません、予めご了承下さい。
・採寸方法により、若干の誤差がある場合がございます、予めご了承下さい。
・Vintage商品の為、使用感や経年劣化がある場合がございます。
ご購入後の返品・交換は受け付けておりませんのでVintage商品にご理解のある方のみご購入をお願い致します。
・商品の色味は出来る限り肉眼で見た場合に近いよう調整しておりますが、お手元のブラウザによって見え方が変わることがあります。
他にも商品に関するご質問があれば、お気軽にお問い合わせ下さい。
「クラシックでありながら、モダンである。」
このコートの内側に残された言葉ですが、HOLLYVEST & WHITESというブランドの意匠を考えるうえで、これほど分かりやすい表現もないように思います。
その母体となるBELVESTは1964年、イタリア・パドヴァ近郊のピアッツォーラ・スル・ブレンタで創業しました。
BELVESTを単なるイタリアのテーラリングブランドとして語るには、少し説明が足りません。自らの名前で美しいスーツやジャケットを作る一方、その卓越した縫製技術を背景に、GUCCIやPRADAをはじめとするラグジュアリーメゾンの仕立てを担ってきたことでも知られるファクトリー。
表に名前が出ること以上に、「誰の服を作ることを任されてきたか」が、その技術力をよく物語るメーカーでもあります。
その根底にあるのは、プレタポルテでありながらサルトリアの基準を失わないこと。
創業当初から熟練した職人を集め、量産の合理性と仕立て服の感覚をひとつの服の中で両立させてきました。
現在も袖や襟の取り付け、柄合わせ、ボタンホールや最終的なアイロンワークなど重要な工程には職人の手を残しており、しばしばマシンメイドによるテーラリングの最高峰と評される理由も、この工業と手仕事の境界にあります。
そしてBELVESTが面白いのは、仕立ての巧さをそのまま重厚さへ結びつけなかったことです。
70年代にはすでに英国をはじめヨーロッパ各国へ進出し、1978年にはクラシックなテーラリングの構造から身体を解放するアンコンストラクテッドジャケットを開発。
後にはその考え方をスーツやコートへも展開していきます。
伝統的な服を正確に作れる技術を持ちながら、むしろ「どこまで軽くできるか」を考える。
その少し矛盾した発想こそ、BELVESTの服作りの面白さでしょう。
HOLLYVEST & WHITESは、そんなBELVESTが90年代初頭に展開していたブランド。
今回の一着を見る限り、その方向性はBELVEST本体の単なる廉価版というより、イタリアの仕立てを基礎に置きながら、英国服を思わせる端正さを強く意識したものだったのではないでしょうか。
今回ご紹介するのは、ピュアカシミアで仕立てられたシングルのチェスターフィールドコート。
