[Mid-Late 90’s] “CHRISTOPHE LEMAIRE” Pinstripe Double Breasted Tailored Jacket
¥77,000 ($486.97)
Brand : CHRISTOPHE LEMAIRE
Material : Wool 100%
Color : Dark Navy
Size : 46
Model : 172cm 55kg
ダブルブレステッド、ピークドラペル、ピンストライプ。
男性服の中でも、とりわけ力強い印象を持つテーラードの組み合わせです。
英国的なクラシックを思わせる厳格な意匠でありながら、この一着を実際に羽織ると、不思議なほどその威圧感がありません。
むしろ感じるのは、少し気怠く、アンニュイな佇まい。
この相反するバランスに、90年代のクリストフ・ルメールというデザイナーの面白さがよく表れているように思います。
1991年に自身の名を冠したブランドを始め、90年代半ばにはメンズを本格的に展開。
当時のルメールについてアンダムに残された記録では、さまざまな文化や伝統的なワードローブを横断する感覚とともに、テーラーメイドを想起させるカットの精密さが特徴として挙げられています。
つまり、後に見られる柔らかな服作りも、クラシックなテーラリングから離れたところで生まれたものではありません。
正統な男性服の構造を理解したうえで、その緊張を少しずつ解き、異なるバランスへ移していく。
今回ご紹介いたします本作品には、その過程がとても素直に残されているアーカイヴと言えるでしょう。
深いネイビーに細かなピンストライプ。
フロントは6つボタンのダブルブレステッドに、大きく鋭角なピークドラペル。
胸元にはウェルトポケットを置き、腰にはフラップポケット、さらに片側には英国的なテーラリングに見られるチェンジポケットを重ねています。
構成だけを追えば、極めて男性的。
けれど、その強い意匠を受け止めるシルエットは意外なほど柔らかいものです。
肩には適度な構築性を残しながら、胸から胴にかけて過剰に絞り込まず、着丈を長く取ることで大きな輪郭をそのまま下へ落としている。
ダブルブレステッドにありがちな、胸を大きく、ウエストを細く見せるための誇張された逆三角形ではございません。
身体を逞しく見せるためのテーラードではなく、男性服の力強い輪郭を身体から僅かに離して纏うような感覚。
ここにルメールらしいソフトテーラリングが表れております。
ピークドラペルが描く長い斜線も印象的です。
深く開いた胸元から大きなラペルが肩方向へ伸び、ピンストライプの垂直線と交差する。
直線的な要素がこれだけ揃っているにもかかわらず、着用した姿には妙な硬さがありません。
仕立てによって身体を固定するのではなく、正確なカッティングによって余白を作る。
クラシックを崩しているというより、クラシックを理解しているからこそ、どこまで力を抜いても服として成立するのかを知っているような作りです。
後年のルメールが語った、
クチュールそのものよりもストリートスタイルや日常生活の中にある装いへ惹かれていた
という言葉も、この一着を考えると興味深く響きます。
一方で彼は、若い頃に関わったティエリー・ミュグレーやイヴ・サンローラン、クリスチャン・ラクロワといったデザイナーから、色彩やスタイルについて学んだことも振り返っています。
日常の中に存在する服への眼差しと、パリのモードから吸収した美意識。
どちらか一方へ寄るのではなく、その間に服を置くことができたからこそ、これほど男性的なテーラードにも独特の余韻が生まれるのでしょう。
現在のルメールにも、柔らかなテーラリングや身体との距離を意識したシルエットは受け継がれています。
ただ、この頃のクリストフ・ルメールはもう少し男性服の古典を正面から楽しんでいたように感じます。
ピンストライプを選び、大きなピークドラペルを引き、ダブルブレステッドを仕立て、チェンジポケットまで備える。
削ぎ落とすのではなく、クラシックの語彙を十分に使ったうえで、その着姿から力だけを抜いていく。
ものすごく男性的な服なのに、纏うとアンニュイ。不思議な衣服です。
相反するはずの二つが同時に成立しているのは、装飾による違和感ではなく、カッティングと分量によって男性服の緊張を柔らかく解いているからだと思います。
後年さらに研ぎ澄まされていくルメールのソフトテーラリングと、今では少し見えにくくなった90年代らしい色気。
クリストフ・ルメールというデザイナーが、クラシックを知ったうえでどのように自分の服へ置き換えていたのか。
その感覚を、とても美しく残した一着です。
Measurement : サイズ情報
表記:46 (日本メンズサイズ M相当)
平置き寸法 : 肩幅45cm 身幅52cm 着丈77cm 袖丈61cm
Condition :商品状態
全体的に目立つダメージのないグッドコンディション。
Attention
・商品は一点物のVintageになる為、SOLDになった場合全く同じアイテムの再入荷はございません、予めご了承下さい。
・採寸方法により、若干の誤差がある場合がございます、予めご了承下さい。
・Vintage商品の為、使用感や経年劣化がある場合がございます。
ご購入後の返品・交換は受け付けておりませんのでVintage商品にご理解のある方のみご購入をお願い致します。
・商品の色味は出来る限り肉眼で見た場合に近いよう調整しておりますが、お手元のブラウザによって見え方が変わることがあります。
他にも商品に関するご質問があれば、お気軽にお問い合わせ下さい。
Brand : CHRISTOPHE LEMAIRE
Material : Unknown
Color : Dark Navy
Size : Unknown
Model : 172cm 55kg
ダブルブレステッド、ピークドラペル、ピンストライプ。
男性服の中でも、とりわけ力強い印象を持つテーラードの組み合わせです。
英国的なクラシックを思わせる厳格な意匠でありながら、この一着を実際に羽織ると、不思議なほどその威圧感がありません。
むしろ感じるのは、少し気怠く、アンニュイな佇まい。
この相反するバランスに、90年代のクリストフ・ルメールというデザイナーの面白さがよく表れているように思います。
1991年に自身の名を冠したブランドを始め、90年代半ばにはメンズを本格的に展開。
当時のルメールについてアンダムに残された記録では、さまざまな文化や伝統的なワードローブを横断する感覚とともに、テーラーメイドを想起させるカットの精密さが特徴として挙げられています。
つまり、後に見られる柔らかな服作りも、クラシックなテーラリングから離れたところで生まれたものではありません。
正統な男性服の構造を理解したうえで、その緊張を少しずつ解き、異なるバランスへ移していく。
今回ご紹介いたします本作品には、その過程がとても素直に残されているアーカイヴと言えるでしょう。
深いネイビーに細かなピンストライプ。
フロントは6つボタンのダブルブレステッドに、大きく鋭角なピークドラペル。
胸元にはウェルトポケットを置き、腰にはフラップポケット、さらに片側には英国的なテーラリングに見られるチェンジポケットを重ねています。
構成だけを追えば、極めて男性的。
けれど、その強い意匠を受け止めるシルエットは意外なほど柔らかいものです。
肩には適度な構築性を残しながら、胸から胴にかけて過剰に絞り込まず、着丈を長く取ることで大きな輪郭をそのまま下へ落としている。
ダブルブレステッドにありがちな、胸を大きく、ウエストを細く見せるための誇張された逆三角形ではございません。
身体を逞しく見せるためのテーラードではなく、男性服の力強い輪郭を身体から僅かに離して纏うような感覚。
ここにルメールらしいソフトテーラリングが表れております。
ピークドラペルが描く長い斜線も印象的です。
深く開いた胸元から大きなラペルが肩方向へ伸び、ピンストライプの垂直線と交差する。
直線的な要素がこれだけ揃っているにもかかわらず、着用した姿には妙な硬さがありません。
仕立てによって身体を固定するのではなく、正確なカッティングによって余白を作る。
クラシックを崩しているというより、クラシックを理解しているからこそ、どこまで力を抜いても服として成立するのかを知っているような作りです。
後年のルメールが語った、
クチュールそのものよりもストリートスタイルや日常生活の中にある装いへ惹かれていた
という言葉も、この一着を考えると興味深く響きます。
一方で彼は、若い頃に関わったティエリー・ミュグレーやイヴ・サンローラン、クリスチャン・ラクロワといったデザイナーから、色彩やスタイルについて学んだことも振り返っています。
日常の中に存在する服への眼差しと、パリのモードから吸収した美意識。
どちらか一方へ寄るのではなく、その間に服を置くことができたからこそ、これほど男性的なテーラードにも独特の余韻が生まれるのでしょう。
現在のルメールにも、柔らかなテーラリングや身体との距離を意識したシルエットは受け継がれています。
ただ、この頃のクリストフ・ルメールはもう少し男性服の古典を正面から楽しんでいたように感じます。
ピンストライプを選び、大きなピークドラペルを引き、ダブルブレステッドを仕立て、チェンジポケットまで備える。
削ぎ落とすのではなく、クラシックの語彙を十分に使ったうえで、その着姿から力だけを抜いていく。
ものすごく男性的な服なのに、纏うとアンニュイ。不思議な衣服です。
相反するはずの二つが同時に成立しているのは、装飾による違和感ではなく、カッティングと分量によって男性服の緊張を柔らかく解いているからだと思います。
後年さらに研ぎ澄まされていくルメールのソフトテーラリングと、今では少し見えにくくなった90年代らしい色気。
クリストフ・ルメールというデザイナーが、クラシックを知ったうえでどのように自分の服へ置き換えていたのか。
その感覚を、とても美しく残した一着です。
Measurement : サイズ情報
表記:46 (日本メンズサイズ M相当)
平置き寸法 : 肩幅45cm 身幅52cm 着丈77cm 袖丈61cm
Condition :商品状態
全体的に目立つダメージのないグッドコンディション。
Attention
・商品は一点物のVintageになる為、SOLDになった場合全く同じアイテムの再入荷はございません、予めご了承下さい。
・採寸方法により、若干の誤差がある場合がございます、予めご了承下さい。
・Vintage商品の為、使用感や経年劣化がある場合がございます。
ご購入後の返品・交換は受け付けておりませんのでVintage商品にご理解のある方のみご購入をお願い致します。
・商品の色味は出来る限り肉眼で見た場合に近いよう調整しておりますが、お手元のブラウザによって見え方が変わることがあります。
他にも商品に関するご質問があれば、お気軽にお問い合わせ下さい。
