[1990s] "NINO CERRUTI" Corduroy Tailored Jacket (Designed by Nino Cerruti / Made in Italy)
¥44,000 ($278.54)
Brand : NINO CERRUTI
Material : Pure Cotton
Size : 52
Color : Forest Green
Model:175cm 65kg
秋冬の定番として古くから親しまれてきたコーデュロイのテーラードジャケット。しかし実際に街着として袖を通そうとすると、どこかカントリーの土臭さや学生風の野暮ったさが気になって手放してしまった経験はないでしょうか。
その理由は明白で、世に出回るコーデュロイジャケットの大半がイギリスの狩猟用スポーツコートやアメリカのアイビーブレザーを原型にしており、太い畝の乾いた生地にパッチポケットやフラップポケット、センターベントを組み合わせた重たい作りになっているからです。
もしコーデュロイが持つ本来の温もりや奥行きのある表情をそのままに、夜のディナージャケットや上質なウールのドレススーツと同じ文脈で羽織れる一着があったなら。
そんな視点から眺めたとき、90年代にイタリアのNINO CERRUTIが仕立てたこのジャケットは、実に示唆に富んだ佇まいを見せてくれます。
そもそもなぜNINO CERRUTIがこれほど洗練されたコーデュロイジャケットを生み出せたのか、その答えはブランドの成り立ちにあります。
出発点となったのは1881年、アルプスの湧き水に恵まれた北イタリア・ピエモンテ州ビエッラにて創業した名門の毛織物工場、チェルッティ兄弟社でした。
原毛の選別から紡績、染色、織り上げまでを一貫して行う生地メーカーの3代目として家業を継いだニノ・セルッティは、1957年にミラノ近郊で革新的な既製服ファクトリーを立ち上げ、さらに1967年にはパリのマドレーヌ広場にブティックを開いてフレンチのエレガンスとイタリアの仕立て技術を融合させます。
1960年代半ばには、百貨店のバイヤーあがりだった若き日のジョルジオ・アルマーニの才能を見出して自社のメンズデザイナーに抜擢。分厚い芯地や硬い肩パッドで身体を締め付けていた従来の英国式スーツから余分な副資材を抜き去り、生地そのものの落ち感と柔らかさで身体を包み込むソフトテーラリングの潮流は、まさにこのセルッティの工房から生まれました。
そうした生地屋としての圧倒的な審美眼と、柔らかな仕立ての哲学が真っ先に表れているのが、このジャケットに使われているコットンコーデュロイの質感です。
ワークウェアやカントリージャケットに見られる硬くゴワついた太畝ではなく、細番手のコットン糸を高密度に織り上げた、緻密で毛足の揃った細畝のコーデュロイを採用。
さらにそのパイル面を、黒に迫るほど深いダークグリーンに染め上げています。
光量の少ない室内では一見するとブラックやチャコールにも見えますが、自然光の下で腕を曲げたり歩いたりした瞬間、角度によって深い森のような緑の濃淡が浮かび上がり、シルクベルベットのような滑らかな光沢を放ちます。
そして前を開けたときに内側から覗くのが、総裏で張られた100%キュプラのライニングです。深いグリーンの表地に対して、わずかに紫みを帯びたダークパープルのキュプラを掛け合わせており、さらにフロントの2つボタンや袖口の3つボタン、そして左ラペルのフラワーホールと前立てのボタンホールのかがり糸には、赤みを帯びたダークブラウンを配しています。深い緑、茄子紺に近い紫、そして焦げ茶の3色が重なり合う配色は、パリの色彩感覚とイタリアの色気が交差するセルッティならではの世界観です。
そしてこのジャケットからカントリーの土臭さを完全に消し去っている最大の要因が、ドレスウェアの規律を徹底したディテールの引き算にあります。
まず腰元のポケットを見ると、カジュアルなジャケットではお馴染みのフラップやパッチポケットを一切使わず、タキシードやフォーマルなディナージャケットに用いられる両玉縁ポケットを採用。
極細に折りたたまれた上下の玉縁にもコーデュロイの畝が垂直に揃えられており、腰まわりに余計な段差や影を作りません。さらに職人の並外れた技術に驚かされるのが、左胸に配された箱ポケット(の処理です。胸の丸みに合わせてわずかに傾斜をつけた袋布でありながら、身頃を走るコーデュロイの縦畝と、ポケットの玉縁パーツの縦畝が、上下とも1ミリの狂いもなく一直線に繋がるように裁断・縫製されています。
遠目にはポケットの輪郭が身頃に溶け込んで消えて見えるほど精密な柄合わせです。
また、やや低めのゴージラインを描くノッチドラペルも、縁にステッチを打たない毛抜き合わせで仕上げられており、端まで途切れずに走る畝とふっくらとした立体的なロールが胸元に柔和な陰影を作ります。
背面もセンターベントやサイドベンツを排したノーベント仕様を採り、背中心のシームと脇のパネル切り替えだけで背中からヒップへと続く丸みのあるラインを描き出しています。
実際に袖を通してみると、創業者ニノ・セルッティが生涯こだわり続けた、着る人を縛らないテーラリングの意味が身体で理解できます。
肩先には角張ったパッドの硬さが一切なく、首元から肩山、そして袖へと丸みを帯びてなだらかに落ちるショルダーラインを形成。背中のアームホールまわりに十分なイセ込みが取られているため、腕を前に動かしたりポケットに手を入れたりしても背中の生地が突っ張ることがありません。
横から見た袖のラインも、人間の腕の自然な曲がりに沿って緩やかに前方へカーブする前振りに仕立てられており、高密度な細畝コーデュロイの適度な重みが肩から裾へ向かってストンと綺麗なドレープを描きます。
ウールのトラウザーズと合わせてドレッシーに装うのはもちろんのこと、クリーム色の柔らかなニットポロや色落ちした淡いブルーのワイドデニムの上にさらりと羽織ってみてください。両玉縁ポケットやノーベントの端正な骨格と、ベルベットのように艶やかなボトルグリーンの生地が全体を品良く受け止め、休日のカジュアルな着こなしに大人の余裕と知的なムードを添えてくれる一着です。
Measurement : サイズ情報
表記 : 52 (日本メンズサイズ XL相当)
平置き採寸 : 肩幅 50cm 身幅 58cm 着丈 79cm 袖丈 65cm
Condition :商品状態
目立ったダメージのないグッドコンディションです。
Attention
・商品は一点物のVintageになる為、SOLDになった場合全く同じアイテムの再入荷はございません、予めご了承下さい。
・採寸方法により、若干の誤差がある場合がございます、予めご了承下さい。
・Vintage商品の為、使用感や経年劣化がある場合がございます。
ご購入後の返品・交換は受け付けておりませんのでVintage商品にご理解のある方のみご購入をお願い致します。
・商品の色味は出来る限り肉眼で見た場合に近いよう調整しておりますが、お手元のブラウザによって見え方が変わることがあります。
他にも商品に関するご質問があれば、お気軽にお問い合わせ下さい。
Brand : NINO CERRUTI
Material : Pure Cotton
Size : 52
Color : Forest Green
Model:175cm 65kg
秋冬の定番として古くから親しまれてきたコーデュロイのテーラードジャケット。しかし実際に街着として袖を通そうとすると、どこかカントリーの土臭さや学生風の野暮ったさが気になって手放してしまった経験はないでしょうか。
その理由は明白で、世に出回るコーデュロイジャケットの大半がイギリスの狩猟用スポーツコートやアメリカのアイビーブレザーを原型にしており、太い畝の乾いた生地にパッチポケットやフラップポケット、センターベントを組み合わせた重たい作りになっているからです。
もしコーデュロイが持つ本来の温もりや奥行きのある表情をそのままに、夜のディナージャケットや上質なウールのドレススーツと同じ文脈で羽織れる一着があったなら。
そんな視点から眺めたとき、90年代にイタリアのNINO CERRUTIが仕立てたこのジャケットは、実に示唆に富んだ佇まいを見せてくれます。
そもそもなぜNINO CERRUTIがこれほど洗練されたコーデュロイジャケットを生み出せたのか、その答えはブランドの成り立ちにあります。
出発点となったのは1881年、アルプスの湧き水に恵まれた北イタリア・ピエモンテ州ビエッラにて創業した名門の毛織物工場、チェルッティ兄弟社でした。
原毛の選別から紡績、染色、織り上げまでを一貫して行う生地メーカーの3代目として家業を継いだニノ・セルッティは、1957年にミラノ近郊で革新的な既製服ファクトリーを立ち上げ、さらに1967年にはパリのマドレーヌ広場にブティックを開いてフレンチのエレガンスとイタリアの仕立て技術を融合させます。
1960年代半ばには、百貨店のバイヤーあがりだった若き日のジョルジオ・アルマーニの才能を見出して自社のメンズデザイナーに抜擢。分厚い芯地や硬い肩パッドで身体を締め付けていた従来の英国式スーツから余分な副資材を抜き去り、生地そのものの落ち感と柔らかさで身体を包み込むソフトテーラリングの潮流は、まさにこのセルッティの工房から生まれました。
そうした生地屋としての圧倒的な審美眼と、柔らかな仕立ての哲学が真っ先に表れているのが、このジャケットに使われているコットンコーデュロイの質感です。
ワークウェアやカントリージャケットに見られる硬くゴワついた太畝ではなく、細番手のコットン糸を高密度に織り上げた、緻密で毛足の揃った細畝のコーデュロイを採用。
さらにそのパイル面を、黒に迫るほど深いダークグリーンに染め上げています。
光量の少ない室内では一見するとブラックやチャコールにも見えますが、自然光の下で腕を曲げたり歩いたりした瞬間、角度によって深い森のような緑の濃淡が浮かび上がり、シルクベルベットのような滑らかな光沢を放ちます。
そして前を開けたときに内側から覗くのが、総裏で張られた100%キュプラのライニングです。深いグリーンの表地に対して、わずかに紫みを帯びたダークパープルのキュプラを掛け合わせており、さらにフロントの2つボタンや袖口の3つボタン、そして左ラペルのフラワーホールと前立てのボタンホールのかがり糸には、赤みを帯びたダークブラウンを配しています。深い緑、茄子紺に近い紫、そして焦げ茶の3色が重なり合う配色は、パリの色彩感覚とイタリアの色気が交差するセルッティならではの世界観です。
そしてこのジャケットからカントリーの土臭さを完全に消し去っている最大の要因が、ドレスウェアの規律を徹底したディテールの引き算にあります。
まず腰元のポケットを見ると、カジュアルなジャケットではお馴染みのフラップやパッチポケットを一切使わず、タキシードやフォーマルなディナージャケットに用いられる両玉縁ポケットを採用。
極細に折りたたまれた上下の玉縁にもコーデュロイの畝が垂直に揃えられており、腰まわりに余計な段差や影を作りません。さらに職人の並外れた技術に驚かされるのが、左胸に配された箱ポケット(の処理です。胸の丸みに合わせてわずかに傾斜をつけた袋布でありながら、身頃を走るコーデュロイの縦畝と、ポケットの玉縁パーツの縦畝が、上下とも1ミリの狂いもなく一直線に繋がるように裁断・縫製されています。
遠目にはポケットの輪郭が身頃に溶け込んで消えて見えるほど精密な柄合わせです。
また、やや低めのゴージラインを描くノッチドラペルも、縁にステッチを打たない毛抜き合わせで仕上げられており、端まで途切れずに走る畝とふっくらとした立体的なロールが胸元に柔和な陰影を作ります。
背面もセンターベントやサイドベンツを排したノーベント仕様を採り、背中心のシームと脇のパネル切り替えだけで背中からヒップへと続く丸みのあるラインを描き出しています。
実際に袖を通してみると、創業者ニノ・セルッティが生涯こだわり続けた、着る人を縛らないテーラリングの意味が身体で理解できます。
肩先には角張ったパッドの硬さが一切なく、首元から肩山、そして袖へと丸みを帯びてなだらかに落ちるショルダーラインを形成。背中のアームホールまわりに十分なイセ込みが取られているため、腕を前に動かしたりポケットに手を入れたりしても背中の生地が突っ張ることがありません。
横から見た袖のラインも、人間の腕の自然な曲がりに沿って緩やかに前方へカーブする前振りに仕立てられており、高密度な細畝コーデュロイの適度な重みが肩から裾へ向かってストンと綺麗なドレープを描きます。
ウールのトラウザーズと合わせてドレッシーに装うのはもちろんのこと、クリーム色の柔らかなニットポロや色落ちした淡いブルーのワイドデニムの上にさらりと羽織ってみてください。両玉縁ポケットやノーベントの端正な骨格と、ベルベットのように艶やかなボトルグリーンの生地が全体を品良く受け止め、休日のカジュアルな着こなしに大人の余裕と知的なムードを添えてくれる一着です。
Measurement : サイズ情報
表記 : 52 (日本メンズサイズ XL相当)
平置き採寸 : 肩幅 50cm 身幅 58cm 着丈 79cm 袖丈 65cm
Condition :商品状態
目立ったダメージのないグッドコンディションです。
Attention
・商品は一点物のVintageになる為、SOLDになった場合全く同じアイテムの再入荷はございません、予めご了承下さい。
・採寸方法により、若干の誤差がある場合がございます、予めご了承下さい。
・Vintage商品の為、使用感や経年劣化がある場合がございます。
ご購入後の返品・交換は受け付けておりませんのでVintage商品にご理解のある方のみご購入をお願い致します。
・商品の色味は出来る限り肉眼で見た場合に近いよう調整しておりますが、お手元のブラウザによって見え方が変わることがあります。
他にも商品に関するご質問があれば、お気軽にお問い合わせ下さい。
