Brand : JIL SANDER
Material : Leather


ミニマリズム、シンプルさ、そして洗練されたデザイン、、、。

「Design without decoration（装飾なきデザイン）」というコンセプトがありながらも、
あまりの素材の品質への拘りから「鉄の女」とまで言われた"JIL SANDER"の創業者、ジル・サンダー。


ジルサンダーのデザイン哲学は、シンプルさと機能美を追求する「ミニマリズム」に根ざしています。
彼女が掲げているのは、「少ないほど豊かである」という考え。

贅沢な素材と完璧な仕立てに重点を置き、色調はニュートラルなトーンを好み、派手さを避けることで、洗練されたエレガンスを体現し多くのファンを魅了させます。


こちらはジル本人ではなく、Raf Simons (ラフ・シモンズ)が初めてクリエイティブディレクターを務めた2005年の春夏シーズンの一枚。

こちらも伝説的なデザイナーの一人であるラフ・シモンズ。
ベルギー出身のファッションデザイナーで、彼のキャリアは非常に多彩です。
彼はもともと工業デザインを学び、家具デザイナーとしてキャリアをスタートさせましたが、1995年に自身の名を冠したブランド"RAF SIMONS"を設立し、ファッションの世界に転身しました。

ラフ・シモンズの凄さと魅力は、クラシックなテーラードスタイルと反抗的なユースカルチャーを融合させている点。
彼は音楽やアート、若者文化から大きな影響を受けており、その影響は彼の作品に色濃く反映されています。例えば、彼のアイテムには大胆なプリントやレイヤードスタイルが多く見られ、これらは後に他のブランドでも模倣されるようになるほどです。

そんな彼のデザインセンスと、ジルサンダーの哲学が融合した一枚。
鮮やかなオレンジは遠目では化学繊維のようにも見えますが、何と贅沢にもゴートレザー(山羊革)を使用した一枚。

非常に丈夫でありながらも、薄くて軽く、更には豊かなツヤのあるゴートレザー。
しなやかで吸い付くようなもっちりとした肌触りの心地よさも勿論のこと、細かなシボ感の凹凸と透明感のある光沢が生み出す表情は、やはりポリエステルやナイロンなどの化学繊維とは全く異なるものです。
レッドとオレンジの中間、日本語で言えば朱色のような独特で柔らかな配色は、インパクトを放ちながらも、肌色に馴染み、なおかつ上品さを与えてくれる。
経年によるクッタリとした質感の変化も玄人感を与えてくれ、ここまでも計算されていたのかと疑いたくなります。

また、裾に袖にドローコードをあしらっているのも面白いポイント。
山羊革という、贅沢な素材を用いつつも、あくまでもアウトドアやスポーツウェアのデザインなのでしょうね。
遊び心のラフ、実用性にフィーチャーしたジル両方の顔が伺えます。

"JIL SANDER"のブランドDNAであるシンプルさと贅沢な仕立てをリスペクトしつつ、ラフ・シモンズの近未来的で前衛的なデザインを取り入れた2006年の春夏コレクション。
クリーンでシャープなシルエットと無駄のないデザイン、そしてパステルカラーが混ぜられたこのコレクションは、多くの評論家から高く評価されます。
ラフ・シモンズは2005年から2012年までジル・サンダーのクリエイティブ・ディレクターを務めますが、この期間、彼はブランドのミニマリズムと自身のデザイン哲学を融合させ、ジル・サンダーを新たな高みに引き上げることとなるのです。

洋服作りの哲学や世界観、性別すら違う彼ら二人ですが、根底にあるのは、やはり妥協の無さ。
一枚の洋服に二人が宿る。
どうぞ五感すべてで、それを感じ取っていただければ。

Measurement : サイズ情報

表記: なし (日本メンズサイズ M-XL相当)
平置き採寸 : 裄丈 90 身幅 53 着丈 60

Condition :商品状態

レザー特有の傷やシミが見られますが、目立ったダメージのないコンディションです。

Attention

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