Brand : ARNYS PARIS
Material :Wool 100% [Lining] Viscose 100%
Size : 50 [表記] (日本サイズ M-L相当)
Measurement : 肩幅 47.5 身幅 54 着丈 75 袖丈 63 (平置き寸法[cm])



伝説のブランドとも呼ぶべき存在の "ARNYS (アルニス)"。
1933年にウクライナ系ユダヤ人のジャンケル・グランベールにより、
フランスパリ セーヌ川の左岸、セーヴル通り14番地で創業されました。

カシミアやシルクに代表される贅沢な素材使い、抑え目でいながら目を引く色合わせの妙、クリエイティブで遊び心に溢れたデザイン...



それはパリの紳士を魅了し、「右岸のエルメス、左岸のアルニス」というフレーズが存在するほどパリの文化を二分したと言われます。

セーヌ川を挟んだ右側は、多数の観光スポットを擁したパリの商業やビジネスの中心地。
その為、貴族などの富裕層が多く住む左岸は古典的でビジネス的な気風を有します。
一方で右岸はパリの芸術や文化の中心地であり、庶民が多く暮らすこの地域は前衛的で文化的。

セーヌ川右岸に位置し、高級な皮革製品やアクセサリー、ファッションアイテムを提供する"Hermès"と、左岸では伝統的な技術による高品質なテーラリングと洗練されたエレガントなデザインの"ARNYS"...
この表現はパリのファッションの対比だけではなく、二つのブランドが持つスタイルやイメージを正に的確に表した言葉でしょう。

しかし、2012年にLVMHグループ傘下”Berluti”に吸収、商標権も買収されたため、現在では二度と現行では手に入らないブランドとなってしまいました。




非常に繊細なガンクラブチェック。
ホワイトとブラックの非常に細やかな千鳥格子に、差し色のレッドが非常に映えます。
クラシックでありつつも、どこか漂う優雅さ、、、。
内ポケットを見てみると、そこには「Tessuto Ermenegildo Zegna」の文字が。
そう、こちらは1910年にイタリアのトリヴェロで設立された老舗にして最高級生地メーカー、"Ermenegildo Zegna (エルメネジルド・ゼニア)"のファブリックを使ったテーラードジャケットです。


当初はテキスタイル(布地・織物等)専門の企業でしたが、メンズウェアの仕立てや生産を主軸にする国際企業へと進化を遂げたゼニア。
現在ではプレタポルテのブランドとしても知られるゼニアですが、その最大の特徴は、高級素材の激戦と独自の紡績技術。

ゼニアが手掛けるスーツ生地は、まずその素材選びから特別なもの。
オーストラリアと南アフリカで厳選されたされた最高級のメリノウールを使用しています。
このメリノウールは非常に細く柔らかな繊維であるため、仕上がりが滑らかでありながらも優れた耐久性。
加えてゼニアの独自の技術でこれらの素材を紡ぎ、卓越した手触りと着心地を実現させているのです。

さらにゼニアのデザインはクラシックでありながらも現在的な要素を取り入れているため、時代を超えて愛されています。
例えば、スリムフィットのシルエットであったり、動きやすさを考慮したカッティングであったり。
実用性と美しさを融合させたスーツは、ただの服装以上の意味を持つものです。

「良い素材は、良いデザインを求める」という企業理念の下に生まれた高品質の最高級スーツ。
品質、歴史、そして卓越性の象徴でもあるゼニアのスーツは、世界中の国家元首や著名実業家などを顧客に持ち、 アメリカ、中東、ヨーロッパはもちろん日本でも多くのエグゼクティブから支持を集めているほどです。

そんなとアルニスのコラボレーションですから、全くの別物となるこちらの一枚。
この年代特有のガッシリとしたゆとりのある肩周りですが、そのシルエットのバランスは非常に独特。
ラベルが広く、ゴージラインがやや下にある設計はクラシックな印象を持たせますが、しかしながら、裾幅を広くとることで、軽やかでモダンな印象に。

アルニスのテーラード、あるいはアルニスのジャケット全般に言えることですが、基本的に着丈の長いものがほとんど。
代表作フォレスティエールもそうですよね。
しかしながら、こちらは一般的なアルニスのジャケットは違った短めの丈。
この丈感とサイドベンツの特性を生かした、跳ねるような、泳ぐような裾の見え方が非常に素晴らしい。

ラペルや柄のクラシックで力強い印象と、まるでレディース思わせるような動きのある優雅なシルエットのギャップ。
これが独特な佇まいを醸し出させているのです。
そのため非常にクラシックでシックに見えるこちらの一枚ですが、実際に着てみるとデイリーにも使いやすい仕上がり。

この抜きのある仕上がりがアルニスの遊び心。
この手のジャケットには珍しく、プラスチックのボタンを使っているというのも『敢えて』なのでしょうね。
ゼニアの極上のファブリックを使った贅沢な仕立てながらも、アルニスらしいムッシュの為の遊び心が楽しめる一枚。
ジャケットお探しの方、あるいはそうでないという方にも是非袖を通していただきたい一枚です。

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商品状態
右袖後ろにリペア跡、そのほか経年による小さなダメージが数か所見られますが、目立ったダメージのないコンディションです。
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