Brand : GUCCI
Material : Wool 100%
Size : 46[表記] (日本サイズ M相当)
Measurement : 身幅 53 肩幅 47.5 袖丈 66 着丈 77.5 (平置き寸法[cm])


2023年秋冬を最後に、惜しまれながら退任した"GUCCI"のクリエイティブ・ディレクター、アレッサンドロ・ミケーレ氏。一言"GUCCI"と聞けば、多くの方が思い浮かべるこのブランドの雰囲気は彼が生み出したものです。ロックテイストにクラシカルなアイテムなど、新しい風をブランドに吹き込みました。

"GUCCI"を今私たちが知る地位に定着させた人物がミケーレ氏であるならば、その地位にブランドを押し上げた人物が、トム・フォードという人物です。
というのも、当時の"GUCCI"はグッチ家の一族経営、低価格路線へ舵を切ろうとした3代目パオロ・グッチとそれに反対する叔父ロドルフォらとのお家騒動は、ブランドイメージを下げるのには十分でした。
そんな"GUCCI"のブランドイメージを刷新するために、4代目マウリツィオ・グッチは初めて外部からデザイナーを招致、それがトム・フォードという男だったのです。

彼はデザインとマーケティングの技術によって、売上とイメージアップに貢献。所謂「フォードスタイル」は、歌姫マドンナや女優ケイト・ウィンスレットなど著名人を魅了させ、見事ブランドを復活させます。彼が就任した10年間で、"GUCCI"の売上はなんと10倍以上増加したというから驚きです。

そんなトムフォード期の"GUCCI"の特徴は、これまでラグジュアリーな路線のデザインを打ち出してきていた"GUCCI"にロックテイストを加えた、ラグジュアリー路線の時期にはなかった攻めたアイテム。特にレザージャケットは現在でも高値で取引をされるなど、彼を象徴する最も有名なアイテムでしょう。


こちらのピーコートもまた、トムフォードのロックなテイストが感じられる一枚。
素材には柔らかなウールフェルトを使用。
細かな起毛感と柔らかな質感、更には特有のマットな光沢。
グッチらしい厳かで上品、ラグジュアリーさを感じさせる生地感ですが、特筆すべきは大胆かつ計算されたそのエッジーなフォルム。


メンズのピーコートと言えば、元々は海軍の制服として使われていたもの。
ミリタリーウェアというデザインのそれは、厳格さやクラシカルな印象を抱きがちですが、それを崩さずにモードなテイストを混ぜ込んでいることが伺えます。
大きく、また鋭いラペルに、くびれの入ったウェスト。

全体的に非常にシャープで、どこか色気を感じます。
滑らかなウールフェルトということも恐らく計算されてのことで、ミリタリーデザインの持つ重厚感に、女性的でドレス的な要素を混ぜ込み、柔らかく上品なムードを纏った仕上がりに。
大きなボタンや精巧なステッチ、そして全体のバランスの取れたデザインは、フォードのデザイン哲学を如実に表しています。

トムフォードの卓越したデザインセンスと、グッチの洗練された美学が見事に調和した一枚。
ここまでシャープで上品ながらも、嫌らしさを感じさせないピーコートは他にないのでは。


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商品状態
裏地に一部ステッチ抜け、エポレット欠損。
目立ったダメージのないグッドコンディションです。

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