Brand : Maison Martin Margiela
Material : Cotton 100% [lining] Acetate 100%


「脱構築」「反モード」という考え方のもと作品を展開し、ファッション界に最も影響を与えたブランドの一つ、"Maison Martin Margiela" (メゾン・マルタン・マルジェラ、現Maison Margiela)"。

マルタン・マルジェラ (Martin Margiela) は1957年にベルギーで生まれ、アントワープ王立芸術アカデミーを卒業。
彼は1984年から1987年までジャン＝ポール・ゴルチエのアシスタントを務め、その後1988年に自身のブランド "Maison Martin Margiela" を設立しました。

マルジェラのデザインは、従来のファッションの枠を超えた、革新的で逸脱的なもの。
当時のモードにおける流行に反する、タイトなシルエットの作品を打ち出した「アンチモード」、
意図的に衣服の縫い目や裏側の構造を見せたり、これまでの服の作り方の常識にとらわれない「脱構築」スタイルなど、デビュー当初からファッション業界の常識に反する独自の世界観を提案。

更に高級志向が世間で人気を集めていたことに疑問を感じたことから、あえて貧困層に見えるように古着をリメイクした「ポペリズム（貧困者風）」スタイルなど、衝撃的な作品の数々。


ミステリアスな存在感と、ファッションに対する独自のアプローチもまた彼の魅力。
マルジェラは公の場にほとんど姿を見せず、インタビューもFAXで行うなど、徹底して自らを隠すような振る舞いをしていました。
このような姿勢が、彼のブランドに一層の神秘性と魅力を与え、彼がブランドを退任する　　以前、所謂"本人期"は、今でも世界中の数多くのファンに愛されています。

こちらはマルタンが在籍していた2005年の春夏コレクションからの一枚。
フェードやパッカリングのワイルドな表情に、名作八の字ライダースジャケットを彷彿とさせる大振りのジップパーツがインパクトを放つジャケットです。

使用されているのはコットンですが、やはりメゾンブランドならではの、繊維の細く長い最高ランクのコットンが故の、美しい光沢と滑らかな肌触り。
恐らく製品の状態でウォッシュ加工を施すことで、細かなシワ感やアタリ、パッカリングとフェード感をプラス。
その繊細な表情を、更に繊細な顔立ちに仕上げています。
ジップにも歪みが出ており、またサイドに施されたアジャスターと、ワイルドで工業的。

しかしマルタンの控えめな美学が感じられるフォルムと仕上がり。
ゆったりとしながらも、身体に沿い、そして流れるような美しいラインの仕上がり。
ワイルドな生地表情とギミックですが、ダブルフロントとラペルというのもまた、敢えて計算されてのことでしょう。
力強さの中に、上品で美しい独特なバランスが感じられます。

“Maison Martin Margiela"の2005年春夏メンズウェアコレクションと言えば、ブランドの特徴である実験的でアバンギャルドなスタイルが際立ってたシーズン。
解体と再構築の手法が多く取り入れられ、伝統的なメンズウェアに新しい解釈が加えられたコレクションでした。

現在の“Maison Margiela (メゾンマルジェラ)"に続く、デザインやブランドの哲学が感じられるコレクションからの一枚。
今改めて見ても、独創的で破壊的ながらも、スタイリッシュに見せる彼のセンスの高さを思い知らされますね。

Measurement : サイズ情報

Size : 46 [表記] (日本メンズサイズ M-L相当)
平置き採寸[cm] : 肩幅47 身幅57 袖丈70 着丈68
※Model : 174cm 63kg

Condition :商品状態

アジャスター、その他全体的に生地の劣化が見られますが、目立ったダメージのないグッドコンディション。
ヴィンテージ特有の風合い、デザインとしてお楽しみください。

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