Brand : "Marithé + François Girbaud"
Material : Cotton 100%
Size : 52 [表記]（日本メンズサイズL-XL相当）
Measurement : 肩幅 61 身幅 67 着丈 60 袖丈 63（平置き寸法[cm]）


1964年創業の"Marithé + François Girbaud"。長い歴史を持ちながら2014年事実上の終了となり、今はアーカイブのみでの出会いしか叶わぬ幻のブランド。
卓越したデザインセンスとその振り幅の大きさ。
個体それぞれで異なる感性で描かれる濃いギミックは、現代においても異彩を放ちます。

スタイリスト出身のマリテ(Marithe)とフランソワ・ジルボー(François Girbaud)は1964年に初となるブランドを創業。しかしこのブランド名は著作権の問題により"11342"というブランド名に変更せざるを得ない事態に。ちなみにこの11342という数字ですが、何かと言えばその訴訟事件ナンバーなんだとか。



そしてその一件が終了した1978年に"CLOSED"に名前を再変更します。
「closed」という英単語には終わるという意味があり、兎にも角にもかなり攻めた姿勢のブランド。

その攻めた姿勢は、こちらの１着をご覧いただければすぐにお分かりになるかと思います。
迫力のあるボリューミーなシルエットのボディ、鮮烈なキルティングのライナーが更に異彩を放つ１着です。

Levi'sのトラッカージャケットをサンプリングながらも、それらを再構築し、ブランドの持つ”らしさ”を体現ています。
デニム生地はストーンウォッシュ加工が施されており、無骨な生地の表情と丸みを帯びたデザインが融合することで、絶妙なバランスの上で美しさを表現した仕上がりです。

また、こちらはデニム生地は白の横糸と黒の縦糸で編まれた、先染めと呼ばれる製法。
先染めブラックの生地は、色落ちが進むにつれ美しいグレーへと変貌するのです。
ここから、現在と異なった雰囲気へと変化していく様は、非常に楽しみですね。

生地の素晴らしさもさることながら、特筆すべきは、その色遣いとシルエット。
落ち着いた黒デニムと鮮明な橙色に染められたキルティング、そこに山吹色のコーデュロイ襟。
カラーリングの対比の巧さには、引き込まれるような感覚に陥ります。

と、ここまではA面について語ってまいりました。
A面と表現したのには理由があります。
実はこの一着にはB面が存在、つまるところリバーシブルとなっています。
B面を表にすると、鮮やかな橙色のボディと燕脂色ラインが施されたアーム、デニムの縁取りといった、先ほどとは全く異なった姿へと変化。
まさに、ブランドのらしさがふんだんに詰まった一着なのです。

便宜上、A面B面と表現は致しましたが、どちらがメインといったものではなく、その時の気分によって使い分けることができるのは、非常に嬉しいポイントですね。

斬新かつトリッキーなデザインとディテールで時代を風靡した"Marithé + François Girbaud"ですが、その裏には考え抜かれた、テクニカルなパターンワークの妙と引き出しの広さ。
様々な要素を絶妙な塩梅でミックスした一着、おおよそ40年前のものとは思えない佇まいは、洋服の面白さとは何かを考えさせられます。


唯のデザインブランドにとどまらない、"Marithé + François Girbaud"。
今なおブランドが継続しているならば、とタラレバに耽ってしまうのは私だけでは無いはずです。

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商品状態
経年変化によるアタリやフェードが見られますが、目立った傷等無くグッドコンディションの一枚。ヴィンテージの風合いとしてお楽しみください。
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