Brand : SONIA RYKIEL
Material : Nylon (推定)


1954年にブティック経営者のサム・リキエルと結婚したソニア・リキエル。
17歳の時、パリの服飾生地販売店に就職し、ウインドーディスプレイを担当していた彼女ですが、妊娠中、着たいようなマタニティウェアがなかったので、自らセーターを作ります。
それが彼女のデザイナーになったきっかけ。

このセーターがやがて人気となり、パリ14区のアレジア通り沿いにある現店舗に程近い、ジェネラル・ルクレール大通り (Avenue du Général Leclerc) 104番地にある、旦那サムの店舗で販売するように。
「Poor boy sweater」（貧しい少年のセーター）と呼ばれたこのセーターは、雑誌『ELLE』に取り上げられ、かのオードリー・ヘップバーンが14色のセーターを全色買い求めたほどでした。

1968年5月、自らメゾンを立ち上げ、自身の名前と同名のブランド、"SONIA RYKIEL"を設立。
セーターないしプルオーバーといった普段着だったニット、特に少年らが着ていたそれを、ボーダー柄やスパンコールなどをあしらうことでファッショナブルに変貌させます。
それは、彼女を「ニットの女王」の異名を取らせるほどにセンセーショナルにあふれたものでした。
パリ6区グルネル通りに第1号店を開いてから、子供服、化粧品、紳士服と次々と事業を拡大。なんと80歳を過ぎても現役を続けていました。

しかし晩年はパーキンソン病を患っており、この病の合併症により2016年8月25日午前5時、パリの自宅で86歳にしてこの世を去ることとなりました。

彼女は生前の1983年、フランス文化省から芸術文化勲章を受勲。
また彼女の没後2018年、パリ市内の一角にブランド設立50周年を記念して、生前の功績を称え、彼女の名前を冠したソニア・リキエル通りが誕生したことからも分かるように、フランスを代表する、ファッション史にを刻む偉大なデザイナーの一人です。


まさにその彼女の魅力を体現した一品。

素材の独特なツヤ感とピンクともベージュとも言い難い独特なカラーリング。
光沢がありながらも。しっとりとした肌触り、そしてとろけるような柔らかな質感が、透き通たドレープ感の上品な空気を演出します。
成分表記が無いため性格には不明ですが、恐らくナイロンが使用されていることで、この滑らかな質感と光沢が実現されているのでしょう。

そして左身頃には、スパンコールで施された、ブランド名と 「100% RAIN COAT」の文字。
上品かつ美しい生地に、大胆で遊び心を感じさせるディテールがくすぐります。

一方で、ダブルブレステッドのフロントデザインは、伝統的なクラシックさを感じさせます。
しかしながら、生地感や色、埋め込まれたウエストベルトでモダンな要素に。
高めの襟や長い袖口も、さりげないディテールながら全体のバランスを整えるアクセントにしています。

機能性と美しさを兼ね備えており、着る人のシルエットを美しく引き立てる…
マタニティウェアから始まった彼女の哲学を感じます。

自由奔放な精神とパリジェンヌの洗練されたスタイル。
このコートもその例外ではなく、どこか遊び心がありながらも、エレガントさと実用性を兼ね備えた一品。

ファッションの歴史においても、ソニアは自身の個性を貫き、他とは一線を画すスタイルを確立しました。
このコートを着ることで、まさにその世界観を身にまとい、個性的でありながらも時代を超えた美しさを感じることができる。

ブランドが持つ魅力とデザイナーの世界感のそのものであり、どんなシーンでも輝きを放つこと間違いありません。


Measurement : サイズ情報

表記: なし (日本レディース Sサイズ相当)
平置き採寸 : 着丈 111cm 身幅 50cm 肩幅 40.5cm 袖丈 54.5cm
※Model : 165cm 50kg

Condition :商品状態

薄いシミが所々に見られますが、目立ったダメージのないグッドコンディション。

Attention

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