2023/03/22 18:37

桜が咲き始め、いよいよ春到来といったところですが、春と呼ぶには似つかわしく無い暑い日々が続いております。熊本は高温多湿な気候ということもあり、これから先の気温が思いやられる毎日です。しかしながら服好きといたしましては、何かしら上から羽織りませんと落ち着かないもので......やや我慢しながらも愛着あるアウター達を着込んで出勤させていただいております。その中の一着が"STONE ISLAND"のジャケット。私のワードローブの中でも一際異彩を放ちながら、狂おしいほどに堪らない一軍のアイテムとして日々を共にしています。


"STONE ISLAND"の創設者、マッシモ・オスティ氏。

彼もまた服好きでありながら、語弊を恐れずに言うなら変態的であったと言えるでしょう。ミリタリーウェアに対する造形と、ビンテージウェア特有のエイジングの再現に対する執念。最もそれを象徴するのは、彼が手がけた最初のブランド"C.P. COMPANY"より脈々と受け継がれる"Garment Dyed"の手法。複数の素材に対し、独自の配合の薬品による製品染めを行うことで、素材の強度を上げると共に、特徴的な色合いを再現する技法は、服飾史における革命と呼ぶべき発明であり、多くのブランドがこぞってこの手法を取り入れることとなりました。

07AW "STONE ISLAND" Garment Dyed Over Shirt

コットンとポリエステルを混紡することによってふんわりとした生地感ながら、味わい深い皺が刻まれ数十年の時を経たような仕上がりに。"Garment Dyed"により深い色合いに染色され、表情豊かな色彩へと変貌しています。

おそらくは米軍のジャングルファティーグジャケットをサンプリングしたフラップポケット。オリジナルの形状を強く意識しながらも、さりげないロゴ入りのアルミボタンが実にいいですね。シャツのモデルということもあり、ポケットの数はオリジナルと異なり両胸に2つ。程よいバランス感により、都会的な印象を受けます。
フロントのダブルジップも堪りませんね。私自身、ジャケットからチラ見せでトップスが顔を出すのが涎が出るほど好きなのですが、本個体でもそれが可能なのが個人的には痺れました。時には全締めで無骨なスタイルで決めるのも乙。

アメリカ軍のユーティリティシャツを彷彿とさせるこちらの個体。比翼仕様に加え、ポケットは両胸に2つのみとシンプルな構築でありながら、ワッペン用のベルクロを模したディテールを添えるなど、細やかな仕上がり。
鈍色に輝くナイロンシェルはテックな様相を呈しています。

"STONE ISLAND"の隠れた特徴として、巨大なベルクロが挙げられます。本当に細かなディテールとはなりますが、このタフな感じが男心をくすぐられちゃうなぁ。

袖口は2つのスナップボタンで開閉可能。スナップボタンの補強にはテープ状の化繊生地を用いていたりと、各所に余念がありません。素材開発や染色に注目されがちな本ブランドですが、縫製も抜群なことを忘れないでいただきたいと、私は強く思うのです。見た目も良ければ作りも良し。そりゃアーカイブの市場も上がるわけですよ。


これから気温も上がるかと思われますが、ジャケットスタイルで挑み続ける所存です。着れない季節は、酒の肴にして眺めちゃえばいいんです。服好きとはそういうものです。是非とも皆様にもそれをご提案したく存じます。


recollection[追想]Staff 神崎

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