2023/04/20 11:44

先日、重い腰をようやく上げて衣替えをしていたところ、リネンの生地を用いたアイテムばかりを集めていることに気づきました。ほぼ無意識的ではあるのですが、改めて自身に問うて見ると、やはりリネンが好きだなぁと感じるところでして。冬の寒い時期でもリネンのシャツを着ていたりと、痩せ我慢をしてでも着ている訳ですので、生粋のリネン好きなのかもしれません。


フランスにおいても、リネンという生地は実に馴染み深いもの。生活の至るところでリネンは用いられ、シーツやテーブルクロス、ナプキンなどにもよくリネンが用いられています。勿論それは衣服についても同様で多くのヴィンテージがそれを物語っています。所謂「フレンチリネン」はリネンの中でも最上級の質を誇り、通気性が高く、柔らかな肌触りで、着込むほどに馴染み艶が表れる特徴があります。

こうして、フランスでリネンが多用される背景には気候が大きく影響してくるでしょう。温帯や亜熱帯の気温を必要とするコットンはむしろ不適で、リネンを栽培するのに適した気温が続くことが理由の一つに挙げられます。また上質な水源があることが起因しているのも確かでしょう。フランス北部で栽培されたフラックスを原料とし、現在においても、フラックスの世界のシェア率は驚異の80%超え。さしずめリネン大国といったところでしょうか。




今回ご紹介するのはそんなフランスの、ヴィンテージを代表するフレンチワークジャケットの一着。王道にしてタイムレスなワークウェアとなります。

使用している生地の名は「メティス」。具体的に言えばコットンとリネンの混紡糸を用いた生地を指します。

フレンチワークジャケットで多く用いられるのは、モグラの肌と形容される「モールスキン」、1950年代後半より頻出する「コットンツイル」などがありますが、どれもはコットン100%を使用したもの。炭鉱業等で着用された背景から非常に厚手なものばかりです。


日光を当てると透けて見えるほどの生地は「メティス」でしか味わえない高揚感。リネンが生み出すこの糸目がなんとも堪らなく、上品さとセクシャルな雰囲気に思わず法悦してしまいます。


またリネン特有のネップも魅力の一つ。不規則に表れるそれはミニマルなデザインの中にも奥深い味わいを演出してくれます。

エイジングもまた他の生地とは異なるものであり、リーバイスなどのデニム生地に見られるような縦に褪色していくのも魅力の一つであり、今回ご紹介のものはデッドストックですからそちらも存分に味わっていただくことが可能です。


こちらの個体はややタイト目なところもあり、今からの季節はシャツジャケットとして、夏にはこちら一枚で御着用いただくことを御提案させていただきところ。

フレンチワークの中でもごく稀にしか出会えない幻の逸品を是非とも袖を通していただきたく存じます。


recollection [追想] staff 神崎

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