2023/05/12 02:22
ヴィンテージショップのスタッフとしてはある種失格なのかもしれませんが、私自身ブランドネームというものに価値を感じない性格でして。良いものは時を経ても良いと思えるものでありますし、希少性というコレクター的な価値観は別途のものとして捉えたいという節もあるのかもしれません。
しかしながら"HERMES"のプロダクトはいついかなる時も、そんな偏屈な私を満足させてくれます。それはひとえに"HERMES"だからこそ成せる技巧の精緻と純然たるラグジュアリーの体験があるからでしょう。
それはまるで洗練という言葉が似つかわしいものですし、野球投手のストレート勝負のようで、非常にシンプルな衣服の在り方に対する"HERMES"からの回答であるように感じます。
触れることにすら興奮を覚えてしまう、惜しみなく使用された上質な生地。纏う荘厳な雰囲気は、一度の着用に唯一無二の充足感を与えてくれます。
パターンメイキンの妙にも、感動を覚えるところでして、とことん絞り込まれたウエストライン、ともすればセクシャルを通り越し女性的でありすぎるように感じてしまいますが、そこが絶妙な塩梅で、ロングジャケットのモデルを選択することによりシックなテイストと見事な調和を果たしています。
息を呑むアーカイブトップピース。
この一着をお披露目することができた喜びに震えるばかりです。
recollection [追想] staff 神崎
E-mail:recollection.vintage.111@gmail.com