"PRADA(プラダ)" のセカンドラインとして1993年にスタートした、"Miu Miu (ミウミウ)"。
デザイナーは、Miuccia Prada (ミウッチャ・プラダ)。
"PRADA"の創業者の孫にして、ブランドのクリエイティブディレクターとして、
ナイロン製のバッグやコート、当時のメゾンブランドの流れと逆行したプレーンでシンプルなコレクションなど、常識にとらわれないアイデアとクリエイションで様々な変革を起こし、プラダをグローバルブランドに成長させた彼女。
幼少期は頭文字をとったミウミウという愛称で親しまれ、これがセカンドラインの名前に。
セカンドラインと言えど、決して手を抜いた、廉価版というわけではなく。
高級感は少し控えめ、価格帯を抑えているのは、プラダよりも幅広い年齢層をターゲットにしているから。
気取らないカジュアルさと、近未来的で革新的なデザインと素材使いは世界的なブームに。
2006年にはミウミウはパリコレクションにも進出、またたく間に世界的なブランドになり、ここ最近では数々のトップアーティストやセレブリティを始め、世界中のファッションガールを魅了しています。
...ちょっと待ってください。
recollection っていうお店は、メンズアイテムがメインじゃなかったっけ??
そう、実は "Miu Miu" にも、僅かな間、メンズラインというのが存在していたのです。
1992年にスタートした"Miu Miu"のコンセプトが
「BAD GIRL = 不良少女」ならば、
そのメンズラインのコレクションは
「大人になりたい少年」、と言ったところでしょうか。
Miu Miu のメンズラインが単独でコレクションを発表したのは1999年の秋冬コレクション。
「僕たちはエリート主義者ではない。」
そう言ったのは、ミウッチャのパートナーにしてプラダの経営責任者のパトリツィオ・ベルテッリ (Patrizio Bertelli)。
当時のNew York Times には、ミウッチャとパトリツィオが何故セカンドラインでメンズウェアを手掛けたかったのか尋ねられた記事がありますが、
それには若い人々の洋服のデザインに対する理解の深まりを感じたのがあったそう。
「私たちはファッションやアートでは洗練されているものが好きだが、だからこそ若者が好き。
何故なら彼らは私たちにはない新しいアイデアを生み出してくれるから。」
そうして発表された、メンズラインのファーストコレクション、1999年の秋冬のランウェイ。
ルックの殆どは、ゆったりとしたテーラードジャケットがメイン。
それにウエストバッグと言うべきか、ベルトと言うべきか、不思議なものをウエストにつけ、
そして「醜い」とまで一部で評された、前衛的すぎるシューズ。
これこそが正に、『"Miu Miu"のメンズとはどういうものか』
というものをミウッチャが最も端的に表しているシーズンだと思います。
(メンズモデルは一貫して中性的な顔立ちの20代ぐらい、というところも含め)
テーラードがメインとして構成されたデビュー年かと思えば、
2002年にはアメリカンテイストを全面に打ち出したスタイル、
また2005年にはまるでヒッピーのような格好が続くコレクションと、
その雰囲気は様々です。
シンプルで近未来的なスタイリッシュさ、ラグジュアリーで官能的、、、。
そんなインラインの"PRADA" では、決して見せないようなデザイン、洋服、スタイルが"Miu Miu"のメンズスタイルには有った。
メンズならではの力強さ、土臭さに、フェミニンな要素やモダンなデザインなど、
様々な角度からアプローチをしたコレクションを見ると、
何故彼女が長年の間、天才と呼ばれ続けているのかが僕には一瞬で分かりました。
デザインや歴史を含め、洋服そのものに対する理解。
それを含めた、アウトプットの引き出しの多さ。
ファッションデザイナーとしての力量、世界観を見せつけられ、一方で、
ランウェイの最後に登場する、可愛らしいミウッチャの姿が何とも印象的です。
(静止画がないのが残念。本人の登場は12:35~)
自然体で、何となく恥ずかしそうで、ちょっと子供っぽい。笑
ああそうか、これはミウッチャ・プラダという経営者、ひとりの大人ではなく、
それよりずっと昔の、あの時の「ミウミウ」だったんだね。
しかし残念ながら、2008年の春夏コレクションを最後に、ミウミウのメンズラインは終了。
その理由はとてもビジネス的な要因で、
当時の売り上げが2倍にも伸びたレディースラインに集中させたい会社側の意向でした。
2008年のSSシーズンで見せた、フレアパンツのスーツスタイルにベースボールキャップ、
グラフィックが施されたパジャマのセットアップ、
サンダルやブーツにロングソックスといったような、
まるで思春期の男の子のような、これまで通りの"Miu Miu"のメンズスタイルは、
『大人の事情』によって終了してしまったのでした。
今はレディース一本となってしまった"Miu Miu"ですが、近年のコレクションでは、メンズモデルが登場します。
しかしそれは、メンズアイテムを着用しているのではなく、レディースアイテムを着たモデル。
あくまでもジェンダーレスな観点から、、、というのは分かる。
分かる、分かるよ。
分かるんだけれど、(あまり声を大きくしては言えないけれど、) どこか残念で複雑な気持ちも抱いてしまうんだよ。
僅か10年という、短い期間しか存在していなかった、"Miu Miu"のメンズアイテム。
今では殆ど手に入れることが出来なくなってしまったのは、残念で残念で仕方がない。
海外のリセールサイトではすぐに売り切れになってしまい、買い付けで見つかることも奇跡というレベルにまでなってしまった。
(お陰でお店に並べるのも高額になってしまうというのは、皆様にはとても申し訳ないですが、、、)
それでも、心を奪われてしまう"Miu Miu"のメンズ。
少年のようで、洗練され、遊び心があり、落ち着いていてシック。
こんなブランドが、二度と現れることがあるのでしょうか。
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