recollection vintage

2025/08/31 17:35





当店を、殊ブログをご覧いただいてる皆様でしたら革靴はお好きである、と勝手に思い込み決めつけてしまっておりますが、きっと相違ないことでしょう。



紳士の嗜みとしてある種基盤となるカテゴリですからね。



もちろんスニーカーだって大好きですが、革靴ってのには常々目も心も奪われっぱなしなんですよね。







紳士のための靴、とも言えるシューメイカーなんてものは数多くございますが(それぞれの好みなどございますでしょうから、人によっては数少ないのかもしれませんが、僕からすると素晴らしいメイカーばかりなのです。ご容赦ください。)、その中でも頭抜けている"John Lobb(ジョンロブ)"という存在。



言わずもがな皆様ご存知でしょう。












紳士の本場イギリスの王室御用達である同ブランドは国を超えて彼のHERMESすら虜にした、まさに超越的存在。



カッコいいですよねぇ。素敵ですよねぇ。



やっぱり皆様あれですかね、CITY2やPHILIP2などのドレッシィなものがお好きですかね、それともLOPEZやWILLIAMのようなスポーティなものですかね。



その辺りも十二分に美しい。



現行で量産されている、ということが信じられないほどハイクオリティ。



物理的にいつでも手に入れられる、ってすごく魅力的です。







しかし、150年以上もの歴史を持つJohn Lobbにおいては廃盤となってしまったものも一様に素晴らしいものばかり。



そして個人的にその中でも異彩を放つのがこちらのようなエプロンフロントスタイルのダービーシューズです。












有名どころで言えばBARROSや、以前当店でも取り扱いましたBORDERなどがございますが、こちらはそれらともまた違うBORSAというモデル。(ちなみに全て廃盤になっています。嫌いなのかな。)



例えばBARROSでしたら、少し詰まったノーズはフランスが誇る名門某J.M.Wにおけるゴルフのようで、BORDERはJohn Lobb同様イギリスの名門某E.Gにおけるドーヴァーのような面構えでございますが、このBORSAは上述のJ.M.Wにおけるハンドダービーそっくり。



パッと見そっちかと思っちゃいました。












と言ってもよくよく見れば違いは歴然。



ラストが全くの別物ですねやっぱり。



フランスの方は出自的にぽってりとしたボリュームですが、John Lobbはさすがイギリスとも言えるエレガントでシャープなバランス。



スポーティなスタイルでありながら純然たるエレガントを体現しています。












上から見た時にコバがほぼ見えない、というもはや定番のように感じてしまいますが、それは常軌を逸した現象でございます。



恐ろしいほどに緻密で精密なステッチングが要求され、キングオブドレスシューズの名に恥じないつくり。



頭が上がりません。












サイズも良好。



UK7 1/2 Eという至って平凡な日本人的サイズの僕でピッタリ。



カカトはやや空いている感覚ですがそれも許容範囲。



欧米人はカカトが大きくてポールジョイントが狭い、日本人とは真逆のような足型をしており、John Lobbはそれに忠実なのでカカトが合わないことが多々あるんですが、こちらは珍しくハマってくれました。







漏れなく素晴らしいプロダクトしかないJohn Lobbというメイカーにおける異端児。



ちゃんと英国らしさもありつつ、パリの洒落者からも愛されるであろうエスプリの効いた一足。



しかもゴールデンサイズってんですから、こりゃ堪らん出会いです。