recollection vintage

2025/10/12 14:15



いずれも一級品ばかり、という印象がある"HERMES(エルメス)"のレザープロダクト。

デザイン、革質、仕立て、それら全てが最高峰。

圧倒的なセンスと技術があるからこそ為せる業なのでしょう。


こちらの個体もご多分に漏れず素晴らしいんです。

デザインこそシンプルなフライトジャケットスタイルではございますが、そんな一言だけでは表し切れないこの魅力。

形容し難い、とはまさにこのことですが、精一杯努めて言葉にしようと思います。


まずは色。

深いグリーンは大人びており気品が漂ってくるような印象。

カラーレザー、というだけで珍しい部類になりますが、ここまでエレガントなものは更に珍しい。

HERMESらしく、フランスらしい選定です。


と同時に気づくのが革質の良さ。まあ言うまでもなく、ではあるんですがね。

ヌバックのような微起毛感はありつつも、あくまで滑らか、そしてしっとりとした肌触り。

故に生まれる艶やかな光沢もまた気品の高さという印象に繋がります。


更に肌触りや光沢だけでなく柔らかさも規格外。

肉厚もっちり系にも関わらず、抜群に柔らかいんです。

それにより、フライトジャケットのようなたっぷりとしたシルエット、そしてラグランスリーブという仕様、と見事にマッチして肩の落ち感が美しいのなんの。

ジップを閉じた際のウエスト辺りの溜まり方も到底レザーとは思えないほどソフトでナチュラル。


ステッチワークなどの仕立ての良さもさることながら、ディティールも良いんです。

ポケットにはフラップが付かず、両玉縁のようなパイピングが配されており、やはりドレッシィ方向へ印象付けられる。

ジップは(お馴染みの引き手ではないですが、)無骨さと品の良さを両立させたようなバランスのボリューム。ミリタリーやワークですともっと厳ついですし、ドレスに振りすぎるともっと華奢。こういった装飾品の選定が素晴らしいのはトップメゾンらしいですね。




レザー。

それが持つ独特の空気感を壊すことなく、むしろ活かし切ってエレガントの範疇に収める。

こんなに素晴らしいレザーウェアって、他にはないですね。