2026/03/20 20:47
二足歩行をし、てっぺんに頭が付いている為に、人というものは他者をみる際にまず顔、次いで上半身、下半身、最後に足元、と言った具合に上から流れるように下を見る、という習性がございまして、その逆張り的感覚として生まれた言葉が"お洒落は足元から"なんじゃなかろうか、というのが持論ではありますが、我ながら中々的を射ているんじゃなかろうかと。
ゆえに僕らファッションラバー、いや、ファッションジャンキーは狂ったように靴も集めているわけですけれども、これに関しては僕だけかもしれませんが、比率的にボトムス類って少ないんですよね。
やっぱりどうしてもアウターばっかりに目がいってしまって、そしてトップスも欲しくなっちゃって、忘れちゃいけねえやとばかりに靴を集めて、てな流れでボトムスが弱いんですよねぇ。
と、言いますか、偏りがすごい。
近頃はファッションにおける趣味嗜好が変わったために、そちらの方向のものを集めてばかりではあるんですが、結局のところ常々そういうふうな買い方を繰り返してまいりましたので、例えば、スウェットパンツがねえ!でも気分だ!となりましたら数本〜十本程度集まるまでそればかりを買う、のように、そりゃあ偏るわけですよね、ってなお話なんです。
それで申しますと学生の終わり辺り〜社会人になってしばらくまでの数年間はドレスというものに興味が振れていた頃合いですので、まあつまりはドレスパンツというものに対して好奇心購買欲共にギンギンだったわけでございます。
ドレスパンツ。
スラックスとかトラウザースとか呼ばれたりするそれは、古くから我々男性の下半身をそれはそれは穏やかに、時には大胆に着飾ってくれてきた存在です。
今でこそ数多くのボトムスが氾濫している世の中ですが、その中でも変わらぬ魅力を放ち続け、決して派手に目立つことこそございませんが、確実に存在感を損なうことのない、紛うことなく不滅性を持つもの。
ハマって以来十数年と経ちますが、それでも魅力的に映ります。
まあそりゃそうですよね。何度も申しますけど、何たって一世紀以上も愛され続けているわけですからね。
当店においては、メンズファッションをメインにご提案しておりますので、やはりそういったものも扱っておりまして、ブランドアーカイブを主軸とはしておりますが、キチンと(?)サルト系の、言ってしまえば純粋なるファッションの世界ではあまり名の知られていない、けれど素敵なプロダクトも扱っております。
と言ってもドレスに明るい方であればご存知であろう名前もございます。
生地に狂い(褒め言葉です。)、同様にモノづくりに対しても狂っている(こちらも、褒め言葉です。)職人魂燃え盛るイタリアという国。
連綿と受け継がれてきた技術を用いて作られたドレスパンツは見事であり、大抵が中庸的なデザインであるのも、己の技術力に自信があるからであろうことが感じられます。
付け加えて言うならば、中庸的、シンプルなデザインであるからこそ現代にも通用し、また今後も長きに渡って愛せるのであろうという確信がございます。
もっと表層的なところで言えば、合わせやすい。コレに尽きます。

今回はグレーのものをメインに集めまして、理由としてはこれがやはりベーシック中のベーシックであり、英国ジェントルマンでも、仏国ムッシュでも、もちろん伊国の伊達男でも満足のいく品々であり、また我々がそれらのスタイルに身を寄せる際にも素晴らしく頼り甲斐のある相棒となってくれるだろう、という予見からです。
ジーンズもミリタリーパンツもスウェットパンツもチノパンツもトラックパンツも変わり種でも、今まで経験してきた或いはこれから挑戦したいボトムスは数多くありまた愛しておりますが、それでも時折ふとドレスパンツに対して郷愁の念を抱き、その確かな安心感・ぬくもりに身を委ねると、あら不思議、なんだかスッキリサッパリとするんです。
地上から随分と高いところにあるせいか不安定な僕の頭をニュートラルに戻してくれる存在。
これからも頼りにしてるぜ、相棒。
